2021-11-16

売上高目標10兆円!【大和ハウス ・芳井敬一】がポートフォリオの基軸に据える『まちの再耕』

大和ハウス工業社長 芳井敬一

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コロナ禍は大変な緊張感を与えているが、同時に生き方・働き方で「改革を進め、業務を見直す機会になった」と芳井敬一氏。大和ハウス工業が事業の見直しを行おうというときにコロナ危機に遭遇。従来の“支店長制”というヨコ軸展開で事業を創出し拡大させ、住宅、賃貸、流通店舗、建築、マンション、環境エネと6つの事業本部と関連事業で業容は拡大。環境変化の中、ガバナンスやリスク管理をしっかりさせ、新しい成長を図るため、タテ軸の“事業本部制”へ移行。2022年度から始まる第7次中期経営計画を新体制で実行していく方針。具体的に、賃貸住宅管理の分野では、新築と住宅ストックが逆転している今、「ストック型のビジネスを充実させていく」考えだ。戦後10年の1955年(昭和30年)に、プレハブ住宅という『住宅の工業化』で会社を興した創業者の石橋信夫氏。中興の祖・樋口武男氏(現最高顧問)を経て現在の10代目・芳井敬一氏で迎えた変革の時。SDG(s 持続可能な開発目標)が言われる中、「かつて開発した住宅地を再耕する」と芳井氏。“再耕”をキーワードにした成長戦略とは。
本誌主幹
文=村田 博文

【画像】地域特性に合わせた〝再耕〟を行っている横浜市『上郷ネオポリス』

コロナ危機下経営体制の見直しを

 コロナ危機の発生から2年近くが経った。改めて、コロナ危機をどう総括するか?

「当社の社員もそうでしたが、世の中全体がコロナに罹ると命がなくなるのではないかと、最初は臆病になっていました。当初はそんなことで、よく分からない状況が続いたのが、少しずつ好転の兆しが見えてきました」

 大和ハウス工業社長・芳井敬一氏は、事業のパートナーである土地オーナーの動きについても「創意工夫をしながら、皆さんも少しずつ前へ出ていこうとされていますしね」と手応えを感じていると語る。

 コロナ危機はパンデミック(世界的大流行)となり、産業界はもちろん、国民の日常生活にも深刻な影響を与えた。

 その半面、その危機を乗り越えようという創意工夫も登場。

「工夫という言葉で言うと、ありきたりのものに捉われがちですが、改革であったり、改善であったり、業務の見直しであったり、ある意味いろいろと大事なことの見直ができたと。そういう時期だったと思います」

 芳井氏は、コロナ危機下は経営のあり方を根本から見直す好機だったと総括し、自らも事業の見直しを進めるため、事業構造をタテ軸、ヨコ軸の両面で捉え直したと強調する。

 大和ハウスはヨコ軸展開で成長拡大をしてきた支店長制から、大きく発展した各事業をタテ軸の事業本部制に移行させようと検討を進めている。

 大和ハウスグループは「Housing(住宅)」、「Business(産業)」、「Life(生活)」の3領域を手がける。住宅、賃貸住宅、流通(商業)店舗、建築事業、マンション、そして環境エネルギーの6事業本部に加えて、グループ会社の大和リース、フジタなどを抱える関連事業本部、さらには海外事業という構成(グループ会社は444社)。

 すでに、この国内の業務執行体制を7つの事業本部に再編成し終え、これからグループ内の重複事業について、「組織や機能の最適化と、グループ本社機能の再整備と改善を継続的に図っていく」と言う。

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本誌主幹 村田博文

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