2021-12-03

住友生命社長の新発想「生命保険を日常で楽しみながら使える商品に」

高田幸徳・住友生命保険社長



 ─ 南アフリカの会社がなぜ、このような商品の開発を?

 高田 南アフリカは、今ではアフリカの中で最も金融、ITが発達した国ですが、かつては平均寿命が50歳程度でした。

 そこでディスカバリー社は金融、保険の力で国民の寿命を延ばそうという理念でバイタリティを開発しました。近年では、南アフリカの平均寿命は65歳と15年ほど延び、バイタリティ加入者においては、それよりもさらに長くなっています。

 日本は世界有数の長寿国ですが、健康寿命と平均寿命のギャップが男性で9年、女性で12年あります。

 こうした課題に対し、バイタリティをより多くのお客様に提供することを通じて健康寿命の延伸と健康長寿社会の実現に寄与していきたいと考えています。発売当初から、10年で500万件という目標を掲げて取り組んでいます。

 先行している他国での事例を見ると、販売件数が一定のラインを超えるとそこから認知が拡大し、加入者が加速度的に増えています。そのラインとして、まずは早期の100万件突破を目指していますが、今年度中には達成できるのではないかと見ています。

 ─ コロナ禍で健康への関心は非常に高まっていますね。

 高田 ただ、健康増進に自ら取り組む人は3割程度だと言われ、何かやらなければいけないと思っても始めるのはなかなか難しい。ですからちょっとしたインセンティブが必要です。

 バイタリティには、アクティブチャレンジと呼ばれる週間目標の達成に応じてコーヒーなどと交換可能なドリンクチケットがもらえるなど、小さなご褒美があり、それによって健康増進活動の習慣化を促しています。私や多くの職員も、ウェアラブルデバイスを身に付けて歩数や心拍数を計測し、スマホで管理し、ポイントを獲得しています。

 健康増進は、継続的に積み重ねることが大切ですが、バイタリティはデジタルも活用し、楽しみながら日々の健康増進活動を後押しする仕組みを提供しています。
(続きは『財界』2021年12月8日号で)

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