2021-12-21

カップヌードル誕生から50年【日清食品HD・安藤宏基】の食は平和産業の視点で地球食の展開を

日清食品HD 安藤宏基社長・CEO

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平和産業として『地球食』の提供を

 インスタントラーメンは時代の推移と共に進化する。
「ええ、タンパク質は増えていき、脂肪分は減り、塩分も減るでしょうし、食物繊維は増えていくでしょう。創業時とは中身的に変わってきている。健康と栄養という問題に対して中身は変わっていくものだし、それを可能にしていくのがフードテックだと思います」

 環境問題に関しては、カップ自体は昔、発泡ポリスチレンが使われていたが、いまは紙を主原料とし、バイオマス由来のプラスチック素材を一部使用。二酸化炭素排出を極小化する方向で素材開発が進む。
 工場は再生可能エネルギーで稼働させる方向に動き出し、自治体との提携で、ゴミをエネルギーとして活用するゴミ発電も追求する。

 同社は世界16か国で生産を展開し、地球食を提供している。今、米中対立や経済安全保障という言葉が飛び交う時代にあって、今後のカジ取りをどう進めていくのか─。
「当社は今、子会社に香港日清という親子上場のかたちを取りまして、中国に対してのオペレーションは香港日清が全てやっていて、そこを窓口として行っています。ですから、中国と米国と日本の感想で言いますと、香港日清は中国のために全部活動を行います。ですから中国と米国とは経済戦争で、日本はどっちにつくんだろうと言われても、われわれは軍需産業ではない、平和産業ですと。ですから、それを止めることはないと考えています。活動はグローバルですからね」

 グローバル世界を見渡して、平和産業の立場で世界の需要に応えていく─という安藤宏基氏の地球食論。食には国や民族の違いを乗り越える力がある。

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本誌主幹 村田 博文

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