2021-12-23

【ユニクロ】柳井会長を直撃! 「あらゆる産業が情報サービス産業になる」


製造小売業から「情報製造小売業」への進化を



 ―― ユニクロの場合、早い時期から中国で事業を展開してきました。米中対立などがある中で今後、中国とはどういうスタンスで向き合っていきますか。

 柳井 新聞を読んでも、本屋へ行っても今は反中の文字が躍っていますよね。皆さん、対立の構造で考えていて、反中をあおるようなメディアの動きです。ある代議士の話を聞いていても、戦争を前提にしたような話をしているんですが、わたしはそれはおかしいし、絶対に違うと思います。

 やはり、日本も中国を必要としているし、中国も日本を必要としている。米中対立と言うけれども、米国も、中国も本気で戦争しようとは思ってないですよ。まず、日本がやるべきことは、日中友好とはいかないまでも、もっと交流の機会を増やして、正常な関係をつくることです。経済交流はすでにこれだけあるんですから、お互いになくなったら困るわけですよね。

 問題なのは、経済はつながっているのに、日本は政治家が全くつながってない。でも、あなたの主義主張と国の安全とどちらが大事ですかと言いたい。国の安全を守るために戦争に勝とうとでもいうような、寝言みたいなことを言っているので、それは国民が損するだけだと強く言いたいと思います。

 ―― ビジネスをする上では、グローバル化で国境が無くなってきました。ファーストリテイリングは製造小売業から「情報製造小売業」への進化を図ろうとしていますが、今は製造業や小売業という境界も無くなってきたと考えていいですか。

 柳井 ないです、全部一緒です。将来的には、それこそグーグルやアップル、アマゾンとか、中国のテンセントやアリババとか、そういうところと競争するようになると思います。いわゆる境界がないので、どこの国から競合相手が来るか、まったく分からないのが現状です。

 というのも、あらゆる産業が情報サービス産業になると思いますし、すでになっている。

 ―― あらゆる産業が情報サービス産業になるというのは、具体的には?

 柳井 技術はいくらでも売っていますし、ネット社会になって、タダで使えるものも沢山ありますよね。グーグルを使うのがタダであれば、グーグルに行って、どのように利用ができるか聞いたり、調べたりすればいいんです。結局、それをするか、しないかだけです。

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