2022-01-08

【株価はどう動く?菅下清廣氏に聞く】岸田政権の政策と国際情勢不安が株価の重荷に



「波高きは天底の兆しあり」


 様々な不安材料が浮上していることから、米国は景気がよく、企業業績などの指標がいいにもかかわらず、株価は波乱の展開になっています。

 このように株価が高値圏で大きく上下する展開を「波高き相場」といいます。テクニカル分析の手法である「酒田五法」には「波高きは天底の兆しあり」という格言があります。

 このまま、米国株の波乱が続くと、当面の天井を付ける可能性があります。ニューヨーク株は短期的には20年3月のコロナショック以降、ほぼ一本調子で上昇、長期的には09年3月9日の7000ドル割れから長期上昇トレンドが続いており、どこかで大きく下落してもおかしくありません。

 いずれにせよ国際情勢不安やFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策次第です。年始は国際情勢、岸田政権の政策に要注意です。

 例えば前述のロシアのウクライナ侵攻はリスク要因です。ウクライナへの侵略は民主主義への侵略と同義と言ってもいいでしょう。つまり、ここで起きた争いには民主主義が生き残ることができるかが懸かるということです。なので、バイデン米大統領は直近、民主主義サミットをオンラインで開催し、結束を固めようとしています。

 以上のように、内外情勢が一段と不透明になっていますので、投資家の方々は、できるだけ現金比率を高め、年末年始は天下の情勢を見極めるところです。

 私は21年の年初から、20年のコロナショックから始まった世界の中央銀行の金融緩和と政府の景気対策で「コロナバブル相場」、「マネーバブル相場」が21年は本格化するだろうと指摘してきました。その象徴はテスラの株価とビットコインでした。

 足元ではどちらも頭打ち、または下落となっています。これは国際情勢不安を含めた不安材料を、先に織り込んでいるのかもしれません。その先にやってくるのはニューヨークダウの暴落です。それがいつかはわかりませんが、年末年始の波高き相場には、警戒が必要です。

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