まずは「レクサス」をEV100%ブランドに 今回の計画でもトヨタはテスラの高級車路線に対し、35年までにレクサスブランドをEV比率100%にすると発表した。EV展開では富裕層を顧客に抱える「レクサスがトヨタのEVをリードしていく」(レクサスインターナショナル プレジデントの佐藤恒治氏)ことになる。
実店舗を持たず、インターネット販売に特化するテスラと比べ、充実した販売店網を持ち、迅速な顧客対応が可能なレクサスであれば、EVの故障時などの対応も含めて対抗軸になり得る。トヨタは「EVの流れはラグジュアリーブランドのクルマから広がっていく」(前出の関係者)との見立てをつけている。
しかしながら、市場の評価は依然としてテスラの期待値が大きい。時価総額34兆円弱のトヨタに対し、テスラはその3倍以上だ。しかも、テスラの30年の電池容量の計画は3000ギガワット時とトヨタの10倍強。「電動化の流れをテスラがつくっている」との声は根強い。
「EVに後ろ向き」というイメージを払拭することには成功したようだが、トヨタの20年のEV販売台数は僅か1万台余り。テスラは約48万台で、2位の中国メーカーでさえも24万台とトヨタよりも先行する。
電動化計画を打ち出すトヨタ自動車社長の豊田章男氏 そんな中で名実共に、EVに本腰を入れるトヨタ。その第1弾が22年中に「bZ4X」として販売される。bZ4XがトヨタのEV跳躍への弾みになるかどうかを占うことになる。
欧米に出遅れ気味の電動化対応 【トヨタ】が初の量産EV投入へ