2022-01-26

【株価はどう動く?菅下清廣氏に聞く】長期の上昇トレンドは終了か?FRBの金融政策の動向に要警戒

ナスダック指数は天井を打った?


 2021年までは、09年3月にリーマンショックを織り込んだ安値を付けてから長期トレンドの上昇局面が続いてきました。また、中期トレンドで言えば20年3月のコロナショックの安値から上昇トレンドが続いてきたのです。

 この上昇トレンドが、大きな調整局面に入ってきていることは間違いありません。最近付けたニューヨークダウや日経平均の高値が歴史的天井なのかはまだわかりませんが、これまで続いてきた米国株の長期の上昇トレンドは終わった可能性があります。

 その象徴的動きが、ニューヨークのナスダック指数です。完全に天井を打った形になっており、21年11月22日に1万6212ポイントと、ニューヨークダウに先行して高値を付けました。その後、12月28日に1万5901ポイントという二番天井を付けた後、下落しています。

 一番天井を付けた後の安値が12月3日の1万4931ポイントでしたが、22年の年明けから下回ってきています。この後、多少下げ過ぎの反動高で戻っても、1万6000ポイントを回復できないようなら、今が天井ということになります。

 ということは、ナスダック構成銘柄である「GAFAM」と呼ばれるニューハイテク株が、軒並み頭打ち、あるいは当面の天井を付けた可能性が高まってきているということです。ナスダックが先に天井を付けて、ニューヨークダウがそれを確認して下げるという展開が予想されます。

 ニューヨークダウを見ると、21年11月8日に3万6565ドルという高値を付け、12月1日に3万4006ドルと、3万4000ドルの大台ギリギリのところまで下げ、ここが一番底になっています。ニューヨークダウはナスダックに遅れて一番底を入れた後、年初に戻って1月5日に3万6952ドルという高値を付けて、11月8日の高値を抜きました。

 この1月5日の高値が二番天井となるかどうかの見極めが、今後の日米の株式市場の行方を見る上で重要になります。この後、1月5日の高値を抜いてくるようなら、3万8000ドル、あるいは4万ドルの大台を目指すような相場があり得ます。これは強気シナリオです。

 一方、1月5日の高値を抜けないけれども、その水準近辺で強弱感が対立して揉み合うというのが中立シナリオです。

 そして悲観シナリオはナスダックと同じように、1月5日の高値に対して、それを抜けない二番天井を付けた後、下落調整局面に入るというものです。この時には、かなり厳しい下げになる可能性があります。

 あるいは、昨年11月8日の高値に対して、1月5日が二番天井だということになれば、この後下落し、12月1日の3万4006ドル近辺まで下げる可能性があります。

 年初から波乱相場、「波高き相場」が続いてきましたが、攻防の分岐点に差し掛かっている状況です。ナスダックを見ると、すでに天井を付けた形ですので、ニューヨークダウも天井を付ける可能性が強まっています。

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