2022-02-21

【働き方の二極化にどう対応?】創業10年を機に「個のためのインフラになる」クラウドワークス

吉田 浩一郎・クラウドワークス社長兼CEO

日本の働き方改革を牽引
創業10年を機に「個のためのインフラになる」


クラウドワークス社長兼CEO 吉田 浩一郎
Yoshida Koichiro


「創業から5年は『働き手が新しい働き方に触れ始め』、後半5年は『大企業の働き方が変化』したと感じています」ーー。

 こう語るのは、クラウドワークス社長兼CEOの吉田浩一郎氏。

 インターネットで誰もが自由に仕事を受発注できる〝クラウドソーシング〟で2011年11月に創業。新しい働き方を普及させてきた。

 だが、働き方改革が進む一方、自己実現できる優秀な人材と何らかの理由で能力を発揮できない人材と「働き手の二極化」も起きている。そこで、創業10年の2021年、ミッションを『〝働く〟を通して人々に笑顔を』から『個のためのインフラになる』に刷新。「(二極化の)両方に貢献する。収益だけでなく、万人に開かれたインフラになるという意思表明」と吉田氏は語る。

 社内でも「目標を達成して評価される『ビジネスマインド』と、人として認められる『ピープルマインド』は別であり、両方の両立を目指している」という。

 働き方の変化は「いま我慢すると将来、給与が上がって家や車が買えるといった〝未来〟起点のマネジメントから、未来は不確定だからこそ『〝現在〟をどれだけ納得できるものにできるか』が重要な時代になっている」ことが根源にあると考える。

「『楽しい、興味がある、自分がやりたいからやっている』という働き方が若い人中心に台頭していると思う」と吉田氏。

 働き方を変えるというテーマに取り組む中「派遣法の制定は1986年、正社員は第二次世界大戦前後の5年ほどで整備、労働者が生まれたのは1800年代の産業革命から。資本主義は1600年の東インド会社の誕生から」など歴史を勉強。

「モノが増えれば幸せという概念は産業革命と表裏一体の考え方で、18世紀の私有財産制によって生まれたもの。モノに依存して幸せを規定した時代は200年位しかない」と語る。

 その意味でも「個人の価値観が『金銭報酬』から『感情報酬』へ移っていくのも、しごく自然」と受け止めている。

 昨年12月にはサントリーホールディングス社長の新浪剛史氏が社外取締役に就任。民間の立場から〝新しい資本主義〟の解を見出そうとしている。(北川 記)

【社会を変えるデジタル通貨】民間主導で進む『DCJPY』とは何か

クラウドワークス社長兼CEO
吉田 浩一郎

profile

1974年兵庫県神戸市生まれ。99年東京学芸大学卒業後、パイオニア入社。リード エグジビション ジャパンなどを経て、ドリコム執行役員として東証マザーズ上場に携わる。2007年独立、11年クラウドワークスを創業。14年マザーズ上場。

Pick up注目の記事

Related関連記事

Ranking人気記事