2022-03-02

ビートたけしの顔面神経麻痺を治療した「中国鍼」の威力とは?ドクターリウに直撃

劉勇・コリトレール会長兼社長

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ビートたけしの顔面神経麻痺を治療


 ─ 劉さんは元々中国で医師として活動をしてきたそうですが、専門は何でしたか。

 劉 私は元々、外科の麻酔医でしたが、その関連で鍼灸を勉強しました。83年に日本に拠点を移して以降、多くのご縁に恵まれてきましたが、私が多くの人に知っていただくきっかけとなったのはビートたけしさんの顔面神経麻痺の治療からだったと思います。

 たけしさんはバイク事故で重傷を負われ、その影響で顔面神経麻痺となりました。当時、西洋医学では治すのは無理だと言われたそうですが、私のところに来られて半年間、毎日朝晩の鍼治療をしたんです。

 ─ たけしさんの姿を見て、治せると思ったわけですか。

 劉 そうです。大丈夫だと思いました。病院を退院後すぐに私のところに来られたのですが、メディアの取材攻勢がすごかった。そこで事務所の社長さんがホテルを予約してくれて、転々としながら治療を続けたんです。先日、都内のレストランで久しぶりにお会いしたらお元気そうでしたね。

 ─ 経営者、ビートたけしさん以外に、著名人では例えばどんな患者さんが来ましたか。

 劉 サッカーの王様と呼ばれたブラジルのペレ選手の腰痛を診たことがあります。他にも現役では、Jリーグ・ヴィッセル神戸のイニエスタ選手の治療をしたり、コンディションを見ているんです。

 ─ 改めて、麻酔医から鍼灸の世界に入られたきっかけを聞かせて下さい。

 劉 最も古いきっかけは、私が中学生の頃、母が腹痛を起こした時のことです。激痛で病院に行き、モルヒネを注射しても痛みが収まらず、町の鍼の先生に来てもらったのですが、長い鍼をポンッ、ポンッと入れたらケロッと痛みが引いたというのが強烈に記憶に残っています。

 その後、医療の世界に入るわけですが、その時の記憶が忘れられませんでした。そして外科的な手術は部屋を無菌状態にしなければ処置できませんが、鍼治療は鍼があればどこでも人を助けることができると。

 鍼灸の世界に入り、これまで数十万人の方を診てきましたが、その過程で当時、母を治療してくれた先生のすごさを改めて実感しました。ですから、私は後進の育成にも力を入れています。

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