2022-03-02

ビートたけしの顔面神経麻痺を治療した「中国鍼」の威力とは?ドクターリウに直撃

劉勇・コリトレール会長兼社長

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「鍼は副作用のないワクチン」


 ─ 今のコロナ禍で人々は体の健康への関心を高めていますが、鍼灸の立場でどう貢献していきますか。

 劉 私は自分の治療法を「鍼灸医療」と呼んでいます。コロナ禍で改めて免疫の重要性が見直されています。その意味で私は、「鍼は副作用のないワクチン」のようなものだと言っています。

 ワクチンは異物を体内に入れて戦わせることで免疫を上げていきますが、鍼を刺すと体内の免疫細胞、炎症を抑えるシステムが動き始めます。鍼を抜くと体が「もう大丈夫だ」と認識して回復に向かうのです。スタッフには最近、必ずある特殊なツボに鍼を打って下さいと伝えています。患者さんの免疫力を高める狙いです。

 ─ 現在、何カ所の治療院を持っているんですか。

 劉 六本木ヒルズ、丸ビル、カレッタ汐留、渋谷、西新橋の5カ所が一般の患者さん対象で、楽天クリムゾンハウスは法人向け治療院として運営しています。スタッフは全体で約50人です。

 ─ 劉さんが仕事をしていて喜びを感じる瞬間は?

 劉 やはり患者さんが回復した時ですね。私は患者さんを自分の作品、アートだと思っています。ゴッホの絵画は後世まで残っていますが、私が手掛けさせていただいているのは「生きている絵」です。人をダイレクトに喜ばせることができる、私にとっては天職です。

 ─ 今後、鍼灸の良さを広めていくためにどんなことを考えていますか。

 劉 残念ながら、まだ日本では鍼灸の認知度は低いのが現状ですが、一方で多くの経営者の方々が治療を受けているのも、また現実です。これを一般の方々にどう広めていくかは私の課題と宿命だと思っています。

 鍼灸の良さは患者さんが早く社会に復帰できることです。例えばヘルペスは一般的に10日間の入院が必要ですが、鍼灸であれば入院せずに、3日間ほどの治療で済みます。

 その人が休むと、会社の業務に支障をきたすことになりますし、それは精神的な負担にもつながります。近年、この精神的ストレスは社会的に大きな問題になっていますが、これを少しでも食い止めることに鍼灸は貢献できると考えています。

 患者さんの年代層は幅広く、下は2、3歳の幼児から、上は100歳くらいまで幅広い方がお見えになります。

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