2021-01-03

HIS・澤田秀雄会長兼社長「危機とは裏腹に必ずチャンスがある!」

── 2021年の旅行業界の見通しはいかがですか。

 澤田 20年はコロナの影響で海外旅行は、ほぼゼロになりましたし、インバウンド(訪日外国人)もあと半年から1年は難しいと思います。

 そういうことで当社も大打撃を受けたんですが、逆にそのおかげで様々な事業が立ち上がってきました。例えば、我々は海外旅行が専門でしたが、コロナ禍で国内旅行がどんどん伸びています。政府の「Go To キャンペーン」もあって伸びていまして、国内旅行も相当力をつけてきました。ですから、21年以降、ワクチンができてインバウンドが戻ってくれば、海外と国内の二本柱で事業を運営できると思います。

 ── そうなると、子会社のハウステンボスの運営も含めて、まだまだ旅行業や観光業に可能性はあるわけですね。

 澤田 ええ。旅行業に可能性はすごくあると思います。長崎は新型コロナウイルスの感染者が非常に少ないこともあって、ハウステンボスは日本のお客様だけでもまだまだ増えていますし、やはり皆さん、旅をしたいという気持ちは常にあるわけです。ですから、まだまだ大きな可能性があると思います。

 もう一つ期待できるのが、エネルギー事業。我々は発電所をつくって、電気の販売を行っているんですが、一般家庭を中心に電気の販売は倍々で伸びています。やはり既存の電力会社よりも値段が安いので、皆さん非常に喜んでおられます。

 また、従来の太陽光発電はだいたい15円プラスマイナス2円だった中国製が多かったんですが、我々は今、次世代型の太陽光の開発をしています。これが開発されると3~5円くらいでできるようになりますので、非常に期待しています。

 ── 危機をバネにして新規事業を開拓しているんですね。

 澤田 そうですね。私は危機とは裏腹に必ずチャンスがあると思っていますので、いろいろな意味で幅ができたのではないかと思っております。

 その意味で面白いのは農業です。これは普通の農業ではなく、いろいろな装置を使ってハイテク農業を行い、生産性を上げようということで、買える農地があれば農業法人にも出資して、積極的に農業分野にも進出していく。

 日本の農業は後継者不足や農業従事者の高齢化が深刻な問題ですが、当社には若いスタッフもたくさんおりますので、若い人たちが参画していくと。今後は食糧危機が来る可能性もあるわけですから、我々も日本で知見を得て、将来的には海外進出も視野に入れています。

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