2022-03-12

世界の虚を衝いたロシア、ウクライナに寄り添い知恵を【私の雑記帳】

世界の虚を衝くロシア


「ロシアのウクライナ侵攻は国際法違反だ。軍を直ちにロシア領内に引き戻すべきだ」と西側の自由主義陣営はロシアを非難する。

 しかし、ロシア首脳は、「これは侵攻ではない。ウクライナの住民の求めに応じて行なった軍事作戦だ」と自らの正当性を主張する。

 議論は平行線をたどり、解決の糸口が見つけられない。

 日本時間の2月22日、ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部の親ロシア派支配地域への派兵を命じ、戦闘が始まったことに世界は衝撃を受けた。

 これまでに、ロシア兵約19万人がウクライナ東部沿いや隣国のベラルーシに張り付いているとの情報は流されていた。

 うすうす「侵攻は近い」という予測も立てられていた。それでも、ロシア軍侵攻のニュースに、「まさか本当に実行するとは」という声と共に、「どう落し所を探るか」と戸惑う声も多く聞かれた。

 真の解決策はあるのか?  という問いに誰もが、「ウーン? 」と唸ったきり、後に続く声が出ない。

 第2次世界大戦が終了(1945年)してからしばらくは米国と旧ソ連が対立する『冷戦』時代が続いた。この間、地域紛争は起きるが、世界全体が巻き込まれるような戦争は避けられてきた。

 自由主義陣営(西側)のリーダー国が米国、社会主義陣営(東側の盟主が旧ソ連という対立構図。

 その中で、中国が徐々に力を付け、1972年、当時の米大統領ニクソン氏が極秘に訪中を果たし、米中両国は国交回復を果たす。

 米・中・ソの〝三角外交〟で勢力の均衡を図るという、ニクソン大統領側近のキッシンジャー大統領補佐官の外交戦略だった。

国際秩序は変転の歴史


 新しい国際秩序の構築といっても、それは一筋縄ではいかない。

 確かに、米国も三角外交・デタント(緊張緩和)外交の推進で、ベトナム戦争を終結(1975)に持ち込むことができた。しかし、その後もイランでのホメイニ革命の勃発、イラン国民による米大使館占領、湾岸戦争の後のイラク侵攻、さらにはアフガニスタン介入、撤退といろいろな試練や危機を体験してきた。

 オバマ政権(2009―2017)になって、「米国はもはや世界の警察官ではない」と〝宣言〟。力の空白が世界の随所に現れ、その間隙を縫って、今回のウクライナへのロシア軍侵攻である。

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