2022-03-25

淡路島に本社機能を移転して1年半の現状は? パソナグループ・南部 靖之代表を直撃!

成長ではなく膨張だった…



 ―― 東京・大手町から淡路島に本社機能の一部を移転して約1年半が経ちましたが、今はどのような感想をお持ちですか。

 南部 やはり、精神的にゆったりできるというか、落ち着きますよね。たまに東京にも来ますけど、向こうから見ると、東京はある意味ではクレージーかもしれませんね。

 東京にいれば、スケジュールがいっぱい満たされて、人と会うことは楽しいし、面白いんだけれども、24時間365日ずっとコンクリートジャングルの中で生活していたらストレスが溜まってくる。そうしたことがどういう悪影響を与えているかということに気がつかずに、物質的な喜びに満足しているつもりになっている。

 すぐ近くに何でも手に入る環境があって、ビルがいっぱい立ち並んでいて、そこにいるのがすごく居心地がいいと思っているかもしれないけれども、逆の立場になったら、全く違うことを思うようになりました。

 ―― 東京の当たり前が淡路島では当たり前ではない。

 南部 ええ。今まではスケジュールが満たされていることが心地よいと思っていましたが、東京にいるとそれが知らず知らずにストレスにつながっていることもありますよね。一見、東京にいると街全体が動いているし、みんなが動いているから、自分も成長しているように見えるけれどもそうではないと。これはもう成長ではなく膨張だと。淡路島という自然いっぱいの場所に来て初めて思いました(笑)。

 ―― なるほど。成長ではなく膨張だというのはうまい表現ですね(笑)。

 南部 都会にいると確かに便利でいいですが、気持ちがひ弱になるというか、ストレスも多いから、健康な体づくりとは逆のことをやっているような気になるんですよね。

 やはり、人間は動物だから自然が醸し出す力に感化され、元気になる。自然の中で五感が磨かれ、発想が豊かになります。

 だから、わたしも自然を相手にしていると、発想が豊かになって、何かやらなければならないと。そういう気持ちが元気の源になるような気がします。

続きは本誌で

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