2022-03-23

【株価はどう動く?】日米の株価は「ウクライナ侵攻」を当面織り込んで、リバウンド相場に?



 以上は日経平均の動きですが、今回の相場で世界の株高を牽引してきた米国の動きを見る必要があります。ニューヨークダウ、ナスダックの2つの指標のうち、大事なのはナスダックです。

 ナスダックに上場している米巨大IT「GAFAM」が米国の景気、株高を引っ張ってきたのがこれまでです。ナスダック指数は他の指標に先駆けて天井を付けていますから、最初に底入れするはずです。

 ナスダックの天井は21年11月22日の1万6212ポイントです。ニューヨークダウの高値が1月5日の3万6952ドルであることを見ても、ナスダックが先行しています。昨年11月は米FRB(連邦準備制度理事会)がテーパリング(金融緩和縮小)を始めた時期ですが、ナスダックは早くも、この動きを株価に織り込んだわけです。

 ナスダックの波動をもう少し詳しく見ると、11月22日に付けた後12月28日に1万5901ポイントで二番天井を付けて、本格的な下落調整局面に入りました。2月24日の1万2587ポイントで一番底を付けたと見ていますが、この時はザラ場で大きく下げて、引けにかけて大きく上げて終わりました。ナスダックはすでにリバウンドしそうな動きになっています。

 3月8日には「寄り引け同値」(株価が始値と終値が同じ値段になること)が入っています。これは攻防の分岐点に出る十字型ですが、その後、上に「窓」開けて陽線が出ています。

 ナスダックは1万4500ポイントを挟んで上下500ポイントくらいの水準に戻ると見ていますが、そうなるとニューヨークダウも日経平均も戻ります。

 ニューヨークダウ、ナスダックが二番底を入れてからどうなるかは、今後の米FRBの金融政策、インフレの動向にかかっていますから、これを見極める必要があります。2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻は結末がどうなるにせよ悲観的な状況ですが、この問題による株安は当面織り込みつつあるものと見ています。

 日米では目先リバウンド相場が始まるわけですが、どんどん株価が上がるという状況ではありません。なぜなら米国のインフレを抑えるために今後、利上げ、金融引き締めが控えていますから、そのペース次第で米国株、日本株は頭打ちになります。

 相場の長期波動から見て、特に米国株は1982年の出発点からの上昇のピーク、天井圏に差し掛かっていると見ています。4万ドル手前くらいで天井を付けて、その後は長期の調整局面に入る可能性があります。

 一方、日本株は前回指摘したように89年12月末に3万8915円を付けて以降、20年下落して10年戻ったという動きですが、次の5年、10年には日本株は上昇する可能性が高いのです。

 日本は今後、誰が首相であっても、国を挙げて「DX革命」に取り組むことになります。この進捗次第で日本株はこの後2、3年内に、1989年12月末の史上最高値、3万8915円に迫るような大幅高になる局面が訪れるかもしれません。

 いずれ近いうちに、当面のウクライナ侵攻を織り込んで、この後日米の株価はリバウンド相場に入っていきます。その後、さらに上昇するかは米国の金融政策、インフレ次第ということになります。

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