2022-03-31

「かわいいけどにおいが…」【ペットのにおい問題】を解消するエステーの「森林研究」

写真左から、猫用システムトイレ『エステーペット 実感消臭本体セット』、『エステーペット 実感消臭シート』、『エステーペット 実感消臭チップ』

ゴミを有効活用、地元の雇用創出にも貢献

「世界のペット関連市場は年率5%伸長し、13兆円市場になっています。この市場にエステーは参入していく。国内だけでなく、海外市場も見据えて、グローバルに展開していきたい」(エステー社長・鈴木貴子氏)

 エステーが世界進出も視野に入れた新ブランド『エステーペット』を展開。猫用システムトイレ、消臭チップ(トイレの砂)、消臭シートの3商品を発売。ニオイ問題を解決し「ペットとの暮らしを明るく元気なものにしていきたい」(鈴木氏)と語る。

 エステーは『消臭力』など独自の消臭技術で知られるが、2007年から産官学で「森の空気はなぜきれいか」を研究。北海道阿寒湖周辺のトドマツ原生林の空気が特にきれいとわかりトドマツの抽出成分を調べると、二酸化窒素除去成分の活性濃度が他の樹木に比べて高いことが判明。

▶キリンが「乳酸菌」で攻勢

 そこで、商品化を目指し、原料確保のため北海道釧路の林業会社とパートナーシップを締結。エステーが欲しい浄化成分は枝葉の部分にあるが、それまでは未利用の状態で放置されていた。それを回収し、特殊な抽出装置を作り、精油と精水を抽出。

 すでに精油は花粉対策商品『MoriLabo』、精水はホテルや旅館の客室専用消臭ミスト『AirForest』に活用してきたが、今回、さらに精油と精水の抽出後の針葉粉体を『エステーペット』で利用。

「針葉粉体を混ぜたプラスチックでトイレを作ることで、トイレそのものが消臭するトイレになっている」(エステー・クリアフォレスト事業部長)。さらにトイレの砂(消臭チップ)やシートにもトドマツ針葉粉体成分を入れ、消臭効果をより高める。

 これまで廃棄していた枝葉部分を製品化。さらに、成分の抽出まで地元の林業従事者に依頼しているため、地域の雇用創出にもつながっている。

 日用品メーカーの枠を超えた「トータル エアビズ 企業グループ」を目指すエステー。ペットという新たな領域に参入し、その実現を図る。

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