2022-04-14

【新社長登場!】あいおいニッセイ同和・新納啓介社長に直撃!「新たな保険」をどう開拓するか?

新納啓介・あいおいニッセイ同和損害保険社長



サイバー攻撃など新たなリスクへの対応


 ─ 時代が変わると新たなリスクが出てくるわけですが、こうしたリスクに対応した保険の開発に対する考え方を聞かせて下さい。

 新納 長期的に見れば、人口減少に伴って自動車の保有台数が減り、自動車保険がシュリンクしていくことは避けられない事象だと思います。

 ただ、それが始まるまでは自動車保険が主戦場、主力商品であることは間違いありませんから、商品に磨きをかけ、次のモビリティに向けて保険を進化させていきます。

 一方で、自動車保険に代わる、新たなリスクの領域に果敢にチャレンジしていかないと、我々の成長はありません。

 これまで損害保険は過去の統計データからリスク分析をし、このくらいの保険料なら、このくらいのリスクを引き受けられるという数理的な世界で仕事をしていましたから、過去のデータがない、少ないものについては扱うのが難しかったんです。

 この2年間、新型コロナによって損害保険業界は試されたと思います。一切データがない状態で、国難の中で何かできることはないかということで、コロナの保障を拡大するなどしてきました。これは一つのチャレンジだったと思いますし、社会的インフラとして、今後も続けていかなければならないと思っています。

 ─ コロナ禍ではサイバーリスクも顕在化しましたが、サイバーリスク保険への取り組みは?

 新納 サイバー領域は、ある程度データはありますが、溜まり切っている状態ではありませんし、ロシアのウクライナ侵攻も影響して、さらにサイバー攻撃が増えています。世の中の流れも、まだわかりませんから、これもチャレンジングな商品になります。

 まだ、企業のサイバーリスク保険への加入率は低いのが現状ですが、備えとしてご提案を強化している最中です。今後も新たなリスクに対して、アンテナを高く張っていきます。これも異業種と連携することで、今まで気づいていなかったリスクにもリーチできるのではないかと考えています。

 ─ 共にMS&ADインシュアランスグループホールディングスを構成する三井住友海上火災保険との関係は、今後合併も含めどう考えていきますか。

 新納 MS&ADグループとして、中核損保2社、ダイレクト損保、タイプの違う生保2社という5社を持つことは非常にユニークで、多様なマーケットに我々の商品、サービスを提供できるという意味で、いいフォーメーションだと思っています。

 MSは三井・住友グループとの関係、海外に拠点を持つ強みがありますし、ADはリテールを中心に、地域密着型で特色を出している。今後も「機能別再編」で共通化やコスト削減は進めていきます。合併の選択肢は持っておく必要はありますが、両社が特徴を持って成長できている間はデメリットの方が大きいですから、まだテーブルに載せるタイミングではないと思っています。

 ─ 社内に対しては、どのようなメッセージを発信していますか。

 新納 「CSV×DX」のコンセプトを私の言葉で伝えていくとともに、スローガンとして「やろうぜ精神」を掲げています。この「やろうぜ精神」で共に行こうということを社員、代理店の皆さんに伝えていきます。チャレンジする時、チャレンジに迷いが生じた時に、この「やろうぜ」を思い出してもらって、背中を押すことができればと考えています。

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