2022-04-29

東宝次期社長に常務で創業家の松岡宏泰氏が内定

松岡宏泰・東宝次期社長

5月26日の株主総会を経て、東宝新社長に取締役常務執行役員の松岡宏泰氏が就任。社長の島谷能成氏は代表権のある会長に就任する。

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 宏泰氏は、創業家で東宝名誉会長の松岡功氏の子息。

 1966年4月イタリアローマ市生まれの55歳。生後1歳頃までイタリアで育ったという。89年3月慶應義塾大学法学部法律学科卒業、91
年6月米オルブライト大学経営学科、92年7月米ピッツバーグ大学経営大学院を卒業し、92年10月米国のインターナショナル・クリエイティブ・マネジメント社に入社。

 94年1月、東宝東和に入社、98年取締役、2001年4月常務、08年代表取締役社長、15年代表取締役会長、20年取締役会長に就任。14年5月東宝取締役、18年5月常務、21年取締役常務執行役員。

 生まれはイタリア、アメリカの大学・大学院を卒業、卒業後は米国の企業に入社。また、映画の輸入・配給を手掛ける東宝東和では海外映画の配給に携わるなど、グローバルに経験を積んできた。

 東宝の業績は、コロナ禍の影響を大きく受けた20年度から回復。21年度(22年3月期)の売上高は2260億円、営業利益380億円と増収増益の見込み。

 だが、映画産業はいま、大きな変革の時期を迎えている。米ディズニーがコロナ禍で、新作映画を劇場ではなく、ネット配信するなど、今までにない変化が起きている。

 米国は独占禁止法の関係で、映画会社と配給会社が映画館を持てないため、映画館の運営は別会社が担っている。つまり、コンテンツを制作するディズニーがネット配信を優先させたのも映画館を持っていないという事情が関係している。

 これに対し、日本は映画会社が配給も映画館運営も手掛けている。こうした状況を受け、元東映グループ代表の故・岡田裕介氏は「日本の映画のルールは日本の映画会社が作っていかなければならない」と語っていた。

 映画の定義、また配信会社との関係など、新たな時代の映画産業をどう作っていくか。宏泰氏には東宝の成長に加え、業界をリードするご意見番としての役割も期待される。

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