2022-04-22

【株価はどう動く?】株価は米国はすでに天井圏、日本は上昇余地、日本に「資産インフレ相場」が訪れる?

米国は長期金利のピークが株価の底だった


 株式市場の行方を占う上で、一番のポイントはインフレと金利です。特に米国の動向が日本、世界の経済、株価を動かす最も大きな要因です。

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 今の状況を見ると、米国のインフレはますます加速する可能性が高まっています。4月5日にはFRB(米連邦準備制度理事会)理事のラエル・ブレイナード氏がインフレ加速にリスクを感じており、さらに強力な金融引き締め、利上げが必要だという趣旨の発言をしました。

 この発言を受けて、翌4月6日のニューヨークダウ、ナスダックともに下落、巨大ハイテク企業「GAFAM」も軒並み売られました。今後、インフレ率がさらに高まり、それをFRBが抑え込もうと利上げをすることになると思います。

 次のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、金利の0.5%引き上げが予想されますし、今後複数回0.5%刻みで引き上げるとの見方も出ています。

 こうなると普通株価は下落しますが、世界と日本の株式市場、経済を見てみると、今後米国がどうなるかが要素として大きい。やはり米国の株式市場が世界のエンジンだからです。

 以前から指摘していますが、波動から見て株価上昇、好景気が続いた米国は「ピーク近し」だと予想しています。それが今年なのか、来年なのか、すぐにはわかりませんが、「天井圏」にあると見るのが相場観です。

 米国の株価は1982年8月の底値、776ドルから40年間、一貫して上昇を続け、2022年1月に3万6799ドルを付けましたが、ここが「一番天井」になるのではないかと見ており、警戒しています。

 なぜ、40年も上昇することができたか。それは金利低下、金融緩和があったからです。この相関は非常にはっきりしていて、82年8月にニューヨークダウが776ドルで底入れした時、米国の長期金利は何%だったかというと、81年9月に15.84%というピークを付けています。米国の長期金利のピークが、株価の底だったわけです。

 その後、金利は40年間下がり、20年8月に0.52%で底入れしました。低金利、金融緩和が背景となりIT革命が起き、米国の株価は上昇を続けたのです。

 金利が20年8月に底入れしたわけですが、底入れした時には株価であれ金利であれ、「点」ではなく「面」で動きます。天井を打った後には非常に短期間で下落し、底入れするのには時間がかかるというのが相場の波動です。長期波動の中では通常、2年半から3年かかります。

 2年半であれば23年の2月頃、3年ならば23年の8月頃ということになります。

 予測するならば米金利が20年8月に底入れした後、前述のように22年の年末年始に米国株が長期サイクルの当面の天井を付け、その後大きく下落した後、23年8月頃までに史上最高値をつける可能性があります。

 今後、米国の金融政策は金融緩和から引き締めにカジを切っていきます。早ければ2年くらい、22年の7~8月頃に天井を打つ可能性もありますから、すでに警戒ゾーンに入っています。

 米国の40年間の株高の最後の局面を牽引したのがプラットフォーマーの「GAFAM」です。もし、ニューヨークダウ、ナスダックが目先高値を付けて下落しても、調整期間短く、再び上昇した場合は、米国の技術革新が今後も続くというサインです。

 その次の主力はEV(電気自動車)です。EVによる革命、別の言葉で言えば自然エネルギーの時代に入っていくことになるわけですが、そのフロントランナーはおそらくテスラです。

 プラットフォーマー時代を牽引したのはアップルでした。長期波動(サイクル)で、まだ米国の株高が続くとすると、アップルからテスラ時代に移行する過渡期ではないかと見ています。

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