2022-05-30

【働き方改革】パーソルHD社長に直撃! 雇用のあり方、個人の働き方はどう変わる?

和田孝雄・パーソルホールディングス社長


フェアな処遇を実現する
『サラリーズ』

 ─ 『Salaries(サラリーズ)』や『ミイダス』などデジタルやデータを活用したサービスも提供していますね。

 和田 はい、『サラリーズ』は、フェアな報酬を実現することで、企業の採用力強化や離職防止などをサポートするサービスです。

 「メンバーシップ型雇用」が根付いている、かつ労働力不足が叫ばれ続けている日本では現在、企業はその人のスキルに見合った給与額を提示できず、欲しい人材が採用できない。優秀な既存社員が、給与面での不満を理由に退職してしまうといったケースが散見されます。

 これは、日本には海外のような業界・職種ごとの労働マーケットが確立しておらず、多くの企業はジョブごとの報酬水準が分からず、

「マーケットに準拠したフェアな処遇」が実現できていないことが要因の1つだといえるでしょう。

 労働人口の減少や同一労働同一賃金、「人生100年時代」、新型コロナによる「はたらく」価値観の変化など、日本の労働市場は今大きな転換期を迎えており、「フェアな処遇」は今後さらに世の中から求められることになると考えています。

『サラリーズ』は、パーソルキャリアが提供する転職サービス『doda』の膨大なデータをベースに、機械学習による推定が有効な170万件以上のデータを厳選し、『ジョブごとの報酬水準データ』を作成しています。

『サラリーズ』では、業界・企業規模別に、職種と役割階層(グレード)に応じた、マーケットに準拠するジョブごとの報酬水準が分かります。

 それから『ミイダス』は、個人がコンピテンシー診断という適性検査を受けると、その結果をもとに企業から直接オファーが届く、アセスメント機能を搭載した中途採用サービスです。

 例えば、地方で人材の採用に苦労されている企業と、自身のライフプランとして、様々な地域で働きたいとお考えの方のマッチングなどが進んでいます。

 ─ どんな地域の実例がありますか?

 和田 島根県海士町の事例では、漁協組合や地元のホテルが繁忙に合わせて様々な仕事をしてくれる人材を求めていて、自然豊かな地域で働いてみたい、様々な業務を体験してみたい、というITエンジニアの方の希望が合ったので、ミイダスでマッチングが成立しました。

Pick up注目の記事

Related関連記事

Ranking人気記事