2022-06-08

『丸紅』社長・柿木真澄が語る「変革期の商社の役割」



危機に備えて、新しいビジネスをつくっていこう



 ―― 資源高騰の影響もあって、商社各社は軒並み過去最高益を更新するなど、業績が好調です。足元の現状をどのように受け止めていますか。

 柿木 先ほど言いましたように、一年目は超マイナスからスタートして、20年度にV字回復できて、21年度は最高益になりました。もちろん市況が良くて、資源価格の高騰という追い風があったし、そういう恩恵を受けての数字であったことは間違いありません。

 しかし、そういう中にいると、こういう状況がだんだん当然のごとく感じてしまって、要は、今まで通りにやっていると、ああいう良い結果が自然と出てくるんだなと。新しいことをやらなくても、今まで通りのことをやっていればいいんじゃないかと思いがちなんですね。

 でも、そうではいけない。われわれは今年度からの新たな3カ年の中期経営戦略『GC2024』を策定しました。この背景にあるスタンスというのは、とにかく世の中は変化していて、近い将来、今、商社が携わっているビジネスのいくつかは、本当に消滅していくだろうという想定からスタートしてできている計画なんですね。

 そうした観点で考えますと、最高益という数字が出たからと言って、新しい挑戦を疎かにしてはいけない。もちろん、市況がいいからといって、必ずしも追い風に乗れないこともあるわけで、それが当社だけ取り残されたりせず、いい数字が出たことの努力は認めます。ただ、決算は良かったけど、それはそれとして新しいことにも挑戦しようということは社員に何度も言っています。

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