2022-07-02

【株価はどう動く?】米株式市場は下げ止まり?日本は「大円安時代」でデフレ脱却も?

米株式市場はFRBの政策を織り込んだか?


 (本稿は『財界』2022年夏季特大号(6月22日発売)にて掲載したものです)
 これまで指摘してきたように、米ナスダックは2021年11月に天井を付けて以降、下落を続けてきました。その後を追ってニューヨークダウも22年1月5日に天井を付けた後、高値圏で揉み合ってきましたが、ゴールデンウィーク明け頃から下落を始めました。

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 NYダウを見ると、5月20日の3万635ドルが当面の安値と見られ、それを下回らずに戻ってきています(6月17日に2万888円という安値を付けた)。

 今回の日米の株式市場の上昇波動の出発点は20年2月、3月のコロナショックの安値だと指摘してきましたが、その上げ幅の3分の1押しは、NYダウで3万ドル近辺です。この水準を下回らなかったということは、NYダウが戻り相場に入った可能性があります。こうなるとナスダックにも下げ止まりの可能性が出てきます。

 ナスダックは昨年11月22日の1万6212ポイントから、今年5月20日の1万1035ポイントまで3割以上下げました。これはコロナショックの安値から昨年11月の天井までの上げ幅のほぼ半値押しです。これは当面の底入れをした形になっています。

 ナスダックは、この攻防の分岐点のところで下げ止まって、いま戻ってきています。さらにNYダウも同じ5月20日に3万635ドルを付けて戻っていますが、こちらは上げ幅の3分の1押しですから、ナスダックよりも強い動きです。

 昨年11月にFRB(米連邦準備制度理事会)がテーパリング(量的緩和縮小)を打ち出して以来、米国株式市場は下落局面に入りましたが、今年5月20日の安値を当面の底にして、リバウンド相場が始まっている可能性があります。つまり、売られ過ぎの反動高です。

 ナスダックは昨年11月が天井ですから、約半年と中期波動、日柄です。

 NYダウで見ると、1月5日の3万6952ドルという一番天井から、5月20日の3万635ドルの一番底までの下げ幅が6317ドルですが、この半値戻しである、3万30000ドルから3万4000ドルが壁となっています。6月上旬現在は、この半値戻しの壁を突破しそうになっています。

 今後、このリバウンド相場が、NYダウで3万4000ドル前後で頭打ちとなるのか、もう少し上に行くのかについては見極めが必要です。

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