2022-07-02

【株価はどう動く?】米株式市場は下げ止まり?日本は「大円安時代」でデフレ脱却も?



 米国の株式市場が下げ止まったとなると、当然日本の株式市場も強くなります。以前から指摘しているように、今年の日経平均はトリプルボトム、酒田五法でいう逆三尊が入っていますから、米国よりもしっかりしています。底堅い動きです。

 底入れした場合には半値戻しの壁を突破してくるというのが相場の波動です。日経平均は昨年9月14日の二番天井、3万795円から今年3月9日の2万4681円までの下げ幅の半値戻しは2万8000円前後です。3月25日に2万8338円という戻り高値を付けましたが、半値戻しの壁で頭打ちとなっていました。私は、この戻り高値を近々突破してくるのではないかと見ています。

 こうなると新しい上昇波動が始まって、昨年9月の高値の奪回を目指す動きになるのではないかと見ています。今は新たな上昇相場の「助走」の段階と言っていいでしょう。

 以前から指摘しているように、相場の波動から見て、この6月、7月は日本の株式市場の1つの転換点となって、反転上昇するのではないかと見ています。早ければ参院選公示日である6月22日前後に半値戻しの壁を突破して、3万円の大台を目指す動きになるのではないでしょうか。

 株高の理由は第1に、前述したように米国株式市場がFRBの利上げを織り込んで、当面下げ止まったのではないかということが挙げられます。

 第2に日本が20年ぶりの「大円安時代」に入ったことです。日本経済にとって円安は追い風です。輸出産業に追い風であることはもちろん、デフレ脱却にプラスです。

 円安となると輸入インフレで物価が上がってきますから、黙っていても日本銀行が目標としてきた物価目標2%が達成できることになります。すでに直近の数字は2%以上になっています。

 今、大手メディアを中心に、物価が上がっても賃金が上がらないから大変だという「悪いインフレ」だと言っていますが、私は今の円安は日本経済にとって「良いインフレ」だと見ています。

 第3に、6月10日からインバウンド(訪日外国人観光客)が解禁されます。今、日本へのツアーは大人気となっています。これは日本経済にプラスで株高要因となります。

 特に日本は今回の円安で、長年続いてきたデフレを脱却することになります。そのことを日銀の黒田東彦総裁はわかっていますから、円安容認論を発信しているわけです。

 円ドル相場の波動で見ると、1ドル=143円を付けるような動きになっています。3月4日の114円台から円安が始まり、5月9日の131円がピークとなりました。そこで押し目が入り、5月24日に126円台を付けたのを起点に円安第2波が始まって、5月9日の131円を突破してきています。新しい円安相場が始まったということです。

 3月4日の114円から5月9日の131円まで約17円の円安です。今回の円安相場の出発点は126円ですから、これに17円を足すと143円で、これは第2波が目指す水準ということになります。もちろん、あくまで1つの目処ですが。前述のように、円安は株高につながります。

 しかも、円安が進むと「キャピタルフライト」が起きます。今後、個人も企業もドル建て資産を保有しようとしますから、さらに円安が進みます。円安、デフレ脱却、資産インフレの到来となって、個人金融資産が動き出し、日本の株式市場に入ってくることで、年後半に向かって、日経平均は3万円台を目指す展開になると見ています。

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