2022-07-22

【国土交通省】訪日観光客の受入れがそろり再始動

写真はイメージ

政府が6月10日から訪日観光客の受け入れを再開し、新型コロナウイルス感染拡大のため2年以上にわたって停止してきた訪日観光が動き出した。

 ただ当面は添乗員が同行するパッケージツアーに限られ、1日に約2万人の入国上限も残ったままだ。コロナ前の水準にはほど遠く、関連業界からは早期の制限緩和を求める声が上がる。

 観光庁によると、入国手続きに一定の期間を要するため実際に訪日客が訪れ始めたのは受け入れ開始の5日後からだった。6月22日には、香港から最初のツアー客10人が成田空港に到着。空港で取材に応じた20代の女性は「2年半ぶりの日本でわくわくしている。円安なので洋服や化粧品をいっぱい買いたい」と笑顔を見せた。

 観光業界は長引くコロナ禍で苦境が続いただけに、訪日観光再開に当たっては「心からうれしい」(東京都内の旅行会社幹部)などと歓迎する声が相次いだ。和田浩一・観光庁長官も、訪日観光再開に伴う消費の拡大は地域活性化に貢献すると強調した上で「円滑な受け入れ拡大にしっかり取り組みたい」と意気込む。

 とはいえ、訪日観光のV字回復はしばらく見込みづらそうだ。2万人の上限には商用や留学なども含まれるため、観光目的の入国の手続きが完了したのは6月末時点の累計で7000人に届いていない。コロナ前の19年には年間で約3200万人の外国人が訪れたことを考えると「まだ少ない」(航空大手幹部)のが実情だ。

 運輸行政の専門家は人数制限について、検疫態勢に余裕が出てきたことから必要性が乏しくなった上に他の先進国での導入例もないとして「早く撤廃すべきだ」と指摘する。

 大手家電量販店の関係者は、コロナ前に「爆買い」の主役となったアジア系観光客の多くは個人旅行だったと振り返り、「個人旅行も早く解禁してほしい」と訴えた。

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