2022-08-08

【株価はどう動く?】日経平均は2万8000円台を上に抜けるか、懸念材料はコロナ感染再拡大

ナスダックは「トリプルボトム」を形成


 前回、これまで世界の株式市場の上昇を牽引してきた米ナスダック市場が、2021年11月22日に1万6212ポイントを付け、今も下落、調整局面が続いていると指摘しました。

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 ナスダックの当面の安値は、2022年6月16日の1万565ポイントで、1万1000ポイント割れ近辺で底入れし、底値圏での揉み合いが続いてきたのです。7月下旬現在は「トリプルボトム」のような形になっており、上昇が始まっています。その要因の1つは下げ過ぎの反動高です。

 1万6212ポイントという高値から30数%下落しましたから、当面下げ過ぎの反動高相場が続くのではないかと見ています。どのくらいの水準まで戻るのかを予測するのは難しいですが、戻りが最も鈍い場合で6月2日の戻り高値、1万2320ポイント前後ではないかと見ています。

 つまり、この後戻っても1万3000ポイントだろうという動きです。7月、8月にはFRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを予定しており、0.75%ずつ上げてくると見られています(FRBは7月の米連邦公開市場委員会=FOMCで0.75%の利上げを実施)。利上げ局面では、ナスダックに上場しているようなハイテク株は上昇しづらいのです。

 ナスダックは下げ過ぎの反動高で戻っても3分の1戻りくらい、つまり1万3000ポイント前後だということです。

 ニューヨークダウは22年1月5日に3万6952ドルで天井を付けた後、6月17日に瞬間3万ドル割れの2万9653ドルという安値がありましたが、この水準で「ダブルボトム」を形成して、こちらも下げ過ぎの反動高が始まっています。

 こちらの戻りも、おそらく3分の1戻り程度で、直近の戻り高値である6月1日の3万3272ドル近辺ではないかと見ています。

 7月、8月はFRBが利上げをするわけですが、ニューヨークダウ、ナスダックとも、ある程度金融引き締めを織り込むような形になると思います。ただ、下げ過ぎの反動高はあっても、新しい上昇相場が始まるわけではないという、「鈍い戻り相場」になるでしょう。

 また、FRBが金利を引き上げる中で、今後米国経済の状況は悪化してきます。すでに住宅着工件数が頭打ちになるといった現象が顕在化しているのです。

 金利を引き上げて数カ月が経過した9月になると、米国経済の指標で、悪い数字が出てくることになります。そうなると、戻り相場の後は実体経済が悪いということで、もう一度売り直されることになると見ています。そして10月くらいに二番底を入れることになるでしょう。

 統計的に、1年のうち2月と10月は株価が安値を付けることが多いというデータがあります。ですから年後半は10月が要注意です。そこで底値を入れると、年末までに再び戻り相場が訪れます。この戻り相場の後に、新しい上昇相場がやってくると見ています。

 米国の中間選挙は、経済の実体悪の中で行われることになります。「景気後退」という文字が米メディアに出ている中で行われる選挙ですから、バイデン政権にとっては非常に不利です。

 バイデン政権は、景気よりも物価を下げるインフレ対策に重点を置き、これに「成功しつつある」というメッセージで選挙戦を戦うことになるでしょう。

 米国民はインフレを抑えようとしている民主党政権を支持するか、不況を呼び込んだ民主党ではなく共和党を支持するかという選択になります。この選挙は今後の米国の政治、経済を左右する重要ポイントとなります。

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