2022-08-12

デジタル社会を支える【海底ケーブル】 NTT・三井物産 新事業会社の役割とは何か?

海底ケーブルはデジタル経済圏を支える基幹インフラだ(写真はNTTの提供)



 新会社「セレンジュノネットワーク」は、NTTグループと三井物産が約37・5%ずつ、JA三井リースが約25%を出資。前述の佐藤氏は同社の社長に就任。2024年末までの運用開始を目指しており、総事業費4・5億㌦(約620億円)を見込む。

「NTTの海底ケーブルの歴史は24年前から始まった。今まで海底ケーブルを敷設する時は通信キャリアでコンソーシアムを組むことが多かったが、今回は他のキャリアとは組まず、単独で太平洋横断ケーブルをつくるんだと。NTTは国際的には新参者なので、グローバルなノウハウを持つ三井物産の力をお借りしながら、新しい形でグローバルに挑戦していく」(佐藤氏)

 現在はスマートフォンやあらゆるものがインターネットにつながるIoTの普及など、世界的な通信需要の増加で、海底ケーブルの市場が拡大している。インターネットなどの国際通信の約99%は海底ケーブルを経由しており、一般的にイメージするような通信衛星を介した国際通信はほとんどない。

 今回のケースを考えると、海底ケーブルであれば、米西海岸から日本を直線距離で結ぶと約8千㌔㍍。これが衛星通信になると、地上から衛星まで片道約3万6千㌔㍍。往復で約7万2千㌔㍍離れることになり、通信速度や容量で海底ケーブルに優位性がある。

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