2022-10-04

YKK社長・大谷裕明の「混沌の今こそ、創業者の『善の巡環』思想で」

YKK社長 大谷 裕明

コロナ禍で厳しい時に経営改革、体質改善を!

 1959年(昭和34年)生まれの大谷氏がYKK社長に就任したのは2017年4月。社長就任4年目にコロナ禍に遭遇。

 前述の通り、2020年(令和2年)は減収減益で、利益もやっと水面上に顔を出している状況。しかし、その〝ドン底〟のときにこそ、経営改革・体質改善を進めようと考えた。

「ええ、ドン底のときに、いち早くコストを低減するプロジェクトだったり、あるいは納期を早くすることやデジタル化を早くするプロジェクトを1年ほど前倒しで始めました」

 その改革が功を奏し、YKK本体の2021年度(2022年3月期)は売上高3481億円(前期比40%増)、営業利益423億円(同600%増)の増収増益となった。
 社長就任から5年が経ち、大谷氏はガバナンスを含めた改革に際して、どんな点に留意しているのか?

 グループはファスニング事業(グループ会社数67社、従業員数2万6983人)、建材のAP事業(同23社、従業員数1万6788人)、そしてその他事業(不動産、印刷、農牧などで16社、従業員数639人)で構成(2022年3月現在)。グループの中核であるYKKとYKKAPの連携はどう進めるのか? まずガバナンスである。

本誌主幹 村田博文

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