2022-10-06

【三菱総研理事長・小宮山宏】2050年の最大産業は、『人財養成産業』に

三菱総研・小宮山宏理事長

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『プラチナ社会』という新しい社会モデルで

小宮山氏は1944年(昭和19年)12月生まれ。工学博士。専門分野は化学システム工学、地球環境工学、さらには〝知識の構造化〟なども追究。東大総長時代(2005―2009)には『東京大学アクション・プラン』を公表し、大学改革を進め、学術総合化などを推進。

 また、大学を働く場として見た場合、女性の教職員の力を発揮させようと、学内に5つの保育所を新設するなど旧来の秩序を打ち破る改革を実行。
 文系と理系の学問の融合はできるのか、できるとすれば、どうやって進めるのか?  という筆者の質問に、小宮山氏が答える。

「例えば社会科学と言うとき、欧米だと一番最初に出るのは経済です。その経済と工学というのは同じようなもの。理学と文学というのもある意味、同じようなものだと。人間とは何かというのが文学で、自然とは何かというのが理学だと。その時に、人間社会にどう関わっていこうかというのが経済と工学なんですよ」

 理学系で、分子は何か、この物質はどこから来たのか、138億年前のビッグバン(宇宙大爆発、宇宙の始まり)とは何なのかという追究が今も続く。
「われわれはどこから来たのか、われわれは何なのかをやるのが文学でしょ。やっているこ
とは同じです」

 そうした人生観、世界観の下、小宮山氏は東大総長を退任後の2009年春、三菱総合研究所理事長に就任。課題解決先進国の使命として、新産業を創造し、「価値観が多様化した21世紀に目指す社会モデル」として、『プラチナ社会構想』を提唱。
 地球環境問題や超高齢社会での諸課題解決に際しては、20世紀型の工業化モデルではなく、〝プラチナ社会〟という新しい社会モデルを構築していこうという小宮山氏の考えである。

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本誌主幹 村田博文

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