2022-11-24

『 INDUSTRIAL―X』八子知礼が目指す「伴走型デジタル商社」

八子知礼・INDUSTRIAL―X代表取締役CEO

共通の基盤を提供することで産業構造を変えよう


 なすや生姜、ニラなど、全国1位の生産量を誇る高知県。ここで県やJA高知、高知大学、地元企業などが参画し、産学官連携によるデジタル技術を活用した農業改革が行われている。

 森林の割合が8割以上と全国一の高知県は、狭い農地で効率的に農業を行うため、古くから施設園芸(ビニールハウス)農業が盛んな地域。このビニールハウスの温度や湿度、水分量、窒素濃度、日照といったデータを毎分取り続け、AI(人工知能)が解析することで、このままいくと何月何日にどれくらいの量を収穫できるかを予測。予測精度は極めて高いという。

 コンセプトは「楽しく、楽に稼げる農業」の実現。農業の担い手不足を解消し、若者が参入しやすいように、農業プラットフォーム基盤「IoP(Internet of Plants)クラウド」を活用した取り組みで、勘と経験に頼りがちだった従来の農業を変革しようとしている。このシステムの監修を行っているのが、会社設立わずか3年のINDUSTRIAL―Xである─―。

「市場からどれくらいほしいというニーズが分かれば、生産量と需要をマッチングできるので、ハウス内の二酸化炭素を増やしたり、減らしたりすることで生育を早めたり、遅らせたりすることができるので、市場が求めるタイミングで最適な量を送り出すことができる。高知県は農業先進県として、10年間で70億円を投じて、農業のDX化を進めようとしており、農業の変革に貢献することができれば」

 INDUSTRIAL―X代表取締役CEO(最高経営責任者)の八子知礼(やこ・とものり)氏はこう語る。

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