2021-02-01

今後2年間をどう持ちこたえるか?ANAとJALが国内線運航計画を発表

日本航空と全日本空輸(ANA)が21年度の国内線の事業計画を発表した。その中身を見ると、両社とも生き残りをかけて知恵を絞っている姿が浮かぶ。

 ANAは「使用機材の小型化を中心として一時的に事業規模を縮小する」。「ボーイング7 7 7」を中心とした大型機を20年度当初計画比で5割削減し、中型機「同787」や小型機「同737」などの中小型機を3割増加させていく方針。機材を小型化することで運
航費用を抑える戦略だ。

 具体的な路線では、3月から成田―伊丹と関西―福岡を通年で運休。成田や関空といった国際線との乗り継ぎ便としての機能を持つ路線が運休に追い込まれた格好だ。他にも羽田―関西や伊丹―札幌などを減便。運航規模は20年度の当初計画に比べて15%減となる。

「大きな機材を飛ばして夏場の大型需要などを取り込みやすくする」と語るのは日本航空(JAL)関係者。同社の21年度の運航規模は20
年度当初計画比で2・5%減とANAよりは軽微だが、需要に合わせた減便や機材変更は継続する考えだ。

 特徴的なのは羽田―宮古、石垣といった沖縄の離島路線で、便名を子会社便名からJAL便名に切り替える点だ。JAL便を付けることで大型機「ボーイング777」などのJALの機材が使えるようになる。例えば、羽田―石垣が1便減便となるが、飛ばす機材を大型化することで座席供給数自体は増える形だ。

 また、同社は大型機「エアバス350」を順次導入し、21年度内には14機体制にする。燃費が悪くなった「ボーイング777」の古い機材を置き換えることで運航コストを削減する。

 両社が需要回復への期待を寄せるのはレジャー需要だ。「離島路線など生活路線としての側面も持つ路線の回復が見込まれる」(JAL関係者)。ANAもプレジャー需要が高い沖縄・北海道方面の増便を計画している。

「コロナ前に戻るのは2年後」との声が上がる中、屋台骨だった国際線のビジネス需要の回復は期待できず、国内線でいかに収益を上げていくかに腐心する日々が続きそうだ。

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