2021-02-08

【EⅤ化の流れで自動車産業も大転換】燃料電池で、TOTO、日本ガイシ、ノリタケカンパニーリミテドの森村グループ4社で会社を設立 内燃機関依存からの脱却へーー 業績好調の中、事業構造改革進める日本特殊陶業の〝アジャイル〟経営

2019年3月4日、森村グループ4社で会見。写真左から、ノリタケカンパニーリ ミテド社長・加藤博氏、TOTO会長・喜多村円氏(当時社長)、日本ガイシ 社長・大島卓氏、日本特殊陶業会長・尾堂真一氏(当時社長)。日本特殊 陶業は会長の尾堂氏が経営、社長の川合氏が執行を担う体制を執っている


チャレンジはチャンス!

構造改革を進める中で「強い事業」を持つゆえの悩みもある。「尾堂(真一・会長)の時代から『挑戦しよう、新しいことをやっていこう』と言い続け、社員も頭ではそれを理解している。けれども、いざ行動となると、変えない理由が出てきてしまう。これを『こうしたらやれます』『この選択肢を見つけました』という文化に変えていきたい」と川合氏は語る。

組織を変えるため、カンパニー制や分社化の導入、人事評価も変える他、2020年4月に設立した「イノベーション推進本部」のトップにはアジャイル(機敏な)開発の知見を持つ外国人トップを起用。「世の中のマーケット、ニーズに合わせてモノを作る考え方にしていく」。

挑戦には苦難もあるが、楽しさもある。川合氏自身、入社直後は「不具合の連続で10~15年ずっと赤字だった」センサ事業の初期モデルの開発から携わってきた。だが「一生懸命取り組んで問題が解決すると、お客様とも仲間とも信頼関係が生まれる。完全な成功体験でなくても自信も付いていく」。

だからこそ「新しいことへのチャレンジはチャンス」だと実感を込める。
「開発だけでなく、経営も〝アジャイル〟にしていく。世界にもセラミックスメーカーはそう多くない。そこで求められるニーズを満たしていけば、戦えると思っています」

日本のメーカーは高度成長期、より良いモノを作ることで国内外で成長を遂げてきた。だが、変化が激しく、スピードの求められる今、モノづくりの発想そのものを変えることが求められている。日本特殊陶業の挑戦は、日本の産業界全体が挑戦すべき課題ともいえる。

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