2023-03-13

【アドバンスト・メディア 鈴木清幸会長兼社長】 「音声認識の精度でGAFAに負けない!」

鈴木清幸 アドバンスト・メディア会長兼社長

「日本語や日本のビジネスシーンに特化したデータ、それらの活用のノウハウはGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック=メタ、アマゾン)にはない。一方で当社はそれを25年以上やってきた。日本語特有の特徴がある住所入力などの精度をGAFAでは出せない」

「スモールビジネスをテクノロジーで支える」 freee・佐々木大輔の中小企業活性化策

 人が話した言葉や会話を自動で文字起こしできる技術がAI音声認識。四半世紀にわたって日本語や日本のビジネスシーンに特化して精度を磨いてきた。その売上高の半分近くは、コールセンターが占める。

「問い合わせてきたお客様とオペレーターとの会話を音声認識で文字化する。『言った』『言わない』の確認が必要となるケースで問題のある発言について文字検索で発見できる。結果として応対品質が向上し、成約率アップやトラブルの未然防止などにつながる」

 さらにはミスが許されない医療の世界でも全国約1万6000を超える医療機関や薬局などに導入。愛媛県四国中央市のHITO病院と共同開発したサービスは同病院のリハビリ科で導入され、職員1人1日あたりの電子カルテへの入力業務時間が平均18分短縮。部署全体で11時間の短縮を実現した。

 今ではAIという言葉が飛び交っているが、第2次AIブームと言われる1980年代からAIの可能性にいち早く着目していた。京都大学大学院在籍中に確率統計モデルを研究していたことが後に音声認識のベースになった。「熟練者の知識や知恵を見える化し、コンピュータに移植することができれば、日本企業の生産性を向上させ、日本の産業界の発展に寄与できる」

 1997年の会社設立から「コールセンター」や「医療」「議事録・書き起こし」「製造・物流」「商談記録・業務報告」「建設・不動産」「開発者向けAPI・SDK」「AI対話」などの市場を開拓してきた。今後は「『声で書くビジネス』に『声で動かすビジネス』を加えて売上高2倍を目指す」。

 趣味はテニス。全国健康福祉祭(ねんりんピック)でも日本一になるほどの腕前だ。

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