2023-03-20

U-NEXTとパラビが統合 有料動画配信の国内最大手が誕生

〝国内連合〟で海外勢に対抗へ─。

 有料動画配信サービス大手のU―NEXT(ユーネクスト)と、同業で「Paravi(パラビ)」を運営するプレミアム・プラットフォーム・ジャパン(PPJ)は、3月31日付で経営統合することを決めた。存続会社はユーネクストで、7月をめどにサービスも統合する。

 ユーネクストがUSEN―NEXT HOLDINGS(宇野康秀社長)傘下である一方、PPJには民放テレビ局などが出資しており、インターネット企業と放送事業者が手を組んだとの見方もできる。

「国内№1プラットフォームを目指すうえで、戦略的なシナジーを生み出せるパートナーだと双方判断した」(同社)

 動画配信では米ネットフリックスの存在が大きい。調査会社のGEMパートナーズによると、2022年の国内定額制動画配信サービス市場において、首位のネットフリックスはシェア22.3%。ユーネクストは12.6%で2位。2.3%のパラビと合併することで日本勢トップの座が盤石になる見通し。単純合算では売上高が800億円以上、有料会員数は370万人以上、配信コンテンツは35万本以上に拡大する。

 ただ動画配信分野の競争は激しく、ネットフリックスですら首位の立場に安住していられるわけではない。同社は22年11月、広告付きの低料金プランを投入。23年2月には、100カ国以上で最大50%の値下げを行ったと報じられた。新興国で契約者の裾野を一気に広げる狙いがあるとみられる。

 ネットフリックスの一連の施策により、動画配信事業者間の消耗戦は加速しかねない。日本では「Hulu(フールー)」や「dTV(ディーティービー)」などのサービスが乱立。ヤフーは無料動画配信「GYAO!(ギャオ)」を3月末で終了する。

 今後もシェアの低い事業者の苦境は深まると考えられ、ユーネクストとパラビの統合が業界再編の号砲となる可能性もありそうだ。

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