2023-05-30

【総務省】「地域おこし協力隊」は過去最多6447人に増加

総務省は、都市部から過疎地などに移り住んで地域活性化に取り組む「地域おこし協力隊」の人数が2022年度に6447人となり、これまでで最も多くなったと発表。前年度に比べて432人増えた。隊員を受け入れた自治体の数も31団体増えて1118団体と、過去最多となった。2週間~3カ月にわたり隊員の活動に従事する「インターン参加者」は421人で前年度の4倍近くに増えた。

 地域おこし協力隊は自治体が募集。隊員はおおむね1~3年を任期として、地場産品の開発や住民の生活支援などに従事する。総務省は受け入れ自治体への財政支援として、隊員1人当たり480万円を上限に特別交付税措置を講じる。

 22年度の隊員数を都道府県別に見ると、最も多かったのは北海道で943人。次いで、長野県421人、福島県281人などとなった。22年3月末までに隊員としての任期を終えた9656人のうち、6318人が活動地と同じ市町村か近隣の市町村で暮らしており、「定住率」は65%。活動地と同じ市町村内に住んでいるのは5130人だった。

 定住者の進路は、起業と就業がそれぞれ全体の約4割を占めた。起業では、古民家カフェや農家レストランなどを開店する例が目立ち、就業先は自治体職員など行政関係が最も多かった。任期後も地域に定着する事例が多くみられていることについて、松本剛明総務相は記者会見で「地域おこし協力隊は、地域の活性化と地方への人の流れの創出で大変活躍してくれている」と強調した。

 総務省は、26年度までに隊員を1万人まで増やす目標を掲げており、隊員と受け入れ自治体双方へのサポートを拡充する方針だ。松本氏は「都市部から地方への人の流れをさらに大きなものとする」と力を込めた。

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