2023-05-26

【厚生労働省】50年後に8700万人 日本の高齢者比率は4割に

厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が4月に発表した日本の将来推計人口によると、2070年の総人口が現在の1億2615万人から8700万人にまで落ち込むことが明らかになった。人口構成別では高齢者が4割を占める一方、0~14歳の年少人口が1割を切るなど少子高齢化が進展。岸田政権が最優先課題に掲げる少子化対策がどこまで成果を上げるかが、今後の人口動向を占う上で大きな試金石となりそうだ。

 推計に当たり、最も重要な指標である「合計特殊出生率」は、新型コロナウイルス前から続く低迷を反映。70年時点は1.36と見込み、前回推計の1.44から下方修正した。

 ただ、入国超過数は16~19年の平均値を踏まえ年間約16万人と仮定し、前回推計の約7万人から増やしたため、長期推計ではその分総人口も拡大。総人口が1億人を割る時期は前回推計の53年から56年となり、減少ペースは緩和した。

 最近の出生率の低下傾向を受け、人口減少でさらに厳しい見通しが明らかになるとみる向きが多かっただけに、今回の推計結果に対しては厚労省内では「意外な結果」(幹部)との見方が広がっている。

 外国人の入国者数は日本の経済情勢次第で変動するため、「本当にこのまま外国人が増えるのか」と疑問を呈する見方がある一方、働き手の確保などに向けて、有識者からも「外国人の受け入れに対する国民的な議論をもっと進めるべきだ」との声が根強い。

 ある幹部は「今回の推計よりさらに外国人数が上振れする可能性もある。外国人をどう受け入れていくかは、少子化対策とともに今後しっかり考えていかなくてはいけない」と話しており、外国人の受け入れ策も人口減少対策の大きな検討課題となりそうだ。

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