国立大学改革の行方
金丸氏は国立大学改革ワーキンググループの座長も務める。
国立大学の改革は、中央教育審議会の中長期視点での答申『2040年に向けた高等教育のグランドデザイン』に沿って進行中。
中教審の答申は、国立大学を『社会的変革の原動力』と位置付け、“文理融合”、“異分野融合”を進める人材の育成を図り、世界の知をリードするイノベーションを起こすといった方向性を打ち出している。
自力で大学改革の戦略を立てて実行、社会の役に立つ大学にしていくということで、国立大学も変革力の真価が問われる。
国立大学の改革の焦点の1つに運営資金をどう確保するかというテーマがある。
その議論の中で、10兆円の大学ファンド構想も登場。基金をつくって、10兆円を1%金利で運用すれば1000億円の運用資金が捻出できる──といった話も出てきた。
例えば、東京大学は昨年10月、『40年債』という初の大学債を発行し、200億円を調達。国からの給付金も減少ぎみで、国立大学も自主財源確保に努めざるを得ない状況。
「医学部長経験者が初めて学長になったなどと言うレベルの発想では国立大学も立ちいかなくなっている」として、大学経営の真価が問われると金丸氏。