2021-03-11

ミキハウスグループ代表・木村 皓一の「世界の子供に笑顔と安心を!」(第3回)

総ガラス張りで、明るくデザイン性が良い本社。洒落た感じのビルである

子供たちに夢を!



「世界中の子供たちに夢と希望を」─。

 高品質の子供服を子供たちに届けたいと、木村が三起商行の前身・三起産業を創業したのは1971年(昭和46年)で26歳の時。

 当時、子供服の専門メーカーは少なからずあった。しかし、シャツやズボンなどの組み合わせがいま一つ。トータルコーディネートという発想が全くなかったからである。

 創業した1970年代初頭は高度成長期の真っ只中。日本は1968年(昭和43年)に当時の西ドイツ(現ドイツ)を抜いて世界第2位の経済大国になっていた。

 消費生活も豊かになり、『an・an(アンアン)』『non - no(ノンノ)』といった女性ファッション誌が登場したりして、生活の質を追い求める動きが出始めた。

「子供服にもファッション性が求められる時代が来る」と木村は読み、自分の事業のマトを高級子供服に絞ったのである。

 木村はあくまでもメイド・イン・ジャパンにこだわり続けた。

「お金もないし、仕入れ先もない。一人で出発して、一生懸命やってきたんだから」

 とにかく、良いものを日本でつくって、日本国内はもちろん、世界中の子供たちが喜ぶ子供服をつくっていく─という思いで、木村は『ミキハウス』を高級ブランドに育て上げてきた。

 創業20周年を迎えた1991年(平成3年)、大阪府八尾市にある本社ビルを新しく建て替える際、設計を有名建築家の黒川紀章に頼んだのも、子供たちの夢を大事にしたいという思いからであった。

「海外からお客様に来てもらおうと思って、今の本社ビルをつくったんですよ。地下はショールームになっていて、ベビー服・子供服やシューズ、雑貨類を展示」。販売も行っている。

「最初は単なるショールームだったんですが、来店客からもこれをくれやと言われて、今はお店としても営業しています。そうすると、並ぶ商品も次々と新しくなり、入れ替えができますからね」

 黒川紀章の設計ということでも話題を呼び、国内百貨店だけでなく、世界中からバイヤーがこの本社を訪問。今はコロナ禍で少し減ったが、ネットで見て、実際に「この目で見たい」と尋ねてくる人も少なくない。


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