2021-03-15

【国交省】苦境の航空会社に減免措置 自助努力を求める声も

航空会社の苦境が続いている

新型コロナウイルスの感染拡大が長期化し、国内航空会社の厳しい経営環境が続いている。

 ANAホールディングス(HD)の2020年4~12月期の連結純損益は3095億円の赤字(前年同期は864億円の黒字)だった。4~12月期としては過去最悪の数字で、21年3月期の連結純損益は5100億円の赤字となる見通しだ。

 日本航空も21年3月期連結業績予想で、純損益を3000億円の赤字に下方修正する事態となった。

 国土交通省は21年度、航空会社が支払う着陸料、停留料、航行援助施設利用料を計900億円、航空機燃料税を300億円減らすことを決めた。

 総額1200億円に上る減免措置で歳入が大幅に減少することから、国交省航空局の当初予算では財政投融資で1178億円を確保した。歳入全体の3割を財投が占める異例の編成で、省関係者は「ここまで大規模な減免は経験がない。次元が違う支援になる」と話す。

 ANA HDと日航は経営改善策として人件費や機材の削減を進める計画だ。公募増資による資金調達も実施した。先の関係者は「増資や融資で現金を手厚くしているため、当面は公租公課の減免をお願いしたいという(航空会社からの)話だった。省の支援策を加味した場合、近いうちに手元の資金が足りなくなる事態にはならないのではないか」とみる。

 ただ、国の支援と引き替えに航空会社のより一層の自助努力を求める声がある。国交省は今国会で、経営改善計画の提出を義務付ける航空法改正案の成立を目指す考えだ。

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