2021-03-23

大丸松坂屋がファッションのサブスクリプション事業を開始

ファッションもレンタルする時代になるのか?

「コロナは脅威ではあるが、同時に気づきとチャンスを与えてくれた。企業としてファッションの大量消費と廃棄という環境問題に対して、いかに責任を果たしていくかを考えてきた」

 こう語るのは、大丸松坂屋百貨店社長の澤田太郎氏。

 同社がサブスクリプション型(定額制)のファッションサービスを始める。利用料金は商品の送料やクリーニング代を含めて毎月1万1880円。『Polo Ralph Lauren』や『LACOSTE』、『Theory』など、国内外50のブランドから好きな商品3着を1カ月レンタルできる。

 今回のサービスのコンセプトは“服は使い捨てではない”ということ。近年、ファッション性を優先して短いサイクルで洋服を買い替えることを前提としたファストファッションが曲がり角を迎えている。衣料品の廃棄が社会問題化しており、従来のような大量消費・大量廃棄を前提としたビジネスモデルはサステナブル(持続可能)ではないからだ。

 ファッションサブスクリプション事業開発責任者の田端竜也氏は「百貨店のファッションビジネスが踊り場に来ていて、会社としても何か変わらないといけないと思っていた」と語る。

 現在、百貨店を取り巻く環境は厳しく、簡単にモノが売れない時代。所有から共有へと言われるが、自動車や自転車のシェアリングが広がっているように、洋服でも気軽にシェアリングする時代が来たのかもしれない。

「彩り豊かで幸せを感じていただけるような価値を提案していくことが当社のコアバリュー。今回のラインナップを見ると、いいものを丁寧にしっかり作りこんでいるブランドばかりで必ず支持していただけると思う。足元の消費環境は厳しいが、ファッション業界の活性化につなげていきたい」と語る澤田氏。

 モノが売れない時代にいかに売るか。同社の需要掘り起こしが続いている。

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