2021-03-25

【ファミリーマート】3月31日 無人決済コンビニ1号店をオープン

初の無人決済店舗(写真はイメージ)

利用客が商品を手に取ったら、出口でタッチパネルの表示内容を確認し、支払いをするだけでお買い物が完了――。

 このような次世代型店舗が実用化される。場所はJR東京駅に隣接する東京・丸の内のサピアタワー。ファミリーマート(細見研介社長)が、JR東日本系のTOUCH TO GOと共同で開発した無人決済システムの活用店舗で、3月31日にオープンする。

 TOUCH TO GOは、昨年開業したJR山手線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」構内において、AI(人工知能)を活用した無人決済店舗をオープン。店内に設置されたカメラなどの情報から、入店客が手に取った商品をリアルタイムに認識し、タッチパネルに商品と購入金額を表示。利用客は商品を持ったら、出口でタッチパネルの表示内容を確認して支払いをするだけで買い物ができるとして話題になった。

 ファミリーマートは同社と昨年11月に無人決済コンビニエンスストアの実用化に向けて業務提携。今年2月に資本業務提携契約を締結した。

 近年は、首都圏を中心として小売り店舗や飲食店の労働力不足、人件費の高騰といった問題が顕在化。省人化による店舗運営コストやオペレーション負荷の軽減が、小売り業界や外食業界で喫緊の課題になっている。

 無人コンビニの展開を巡っては、海外が先行。米国ではアマゾン・ドット・コムが2018年から『アマゾン・ゴー』をオープン、中国でもアリババなどを中心に無人コンビニの開発が進んでいる。

 日本でもセブンーイレブン・ジャパンがNECと組んで無人コンビニの実証実験を始めたり、ローソンが横浜市内で深夜帯の無人店舗実験を始めたりしているが、まだ本格的に実用化した無人店舗はほとんどない。

「無人コンビニは深刻な人手不足を解消する切り札になるが、使い方に慣れていない利用者が近隣の他店に流れていくのではないかといった不安や万引きへの不安、そして店員とお客様とのコミュニケーションをどう考えるかなど、課題は多い」というのが各社の一致した見方。

 今年9月に創立40周年を迎えるファミリーマート。時代の変化と共に、コンビニのあり方も変化を迎えている。

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