2021-03-27

【農水省・鶏卵汚職事件】枝元次官の続投に黄信号? アキタ会食参加で減給処分

農林水産省は、鶏卵汚職事件で在宅起訴された大手鶏卵生産会社「アキタフーズ」(広島県福山市)の前代表から接待を受けたことが国家公務員倫理規程に違反したとして、枝元真徹事務次官ら計6人を処分した。今回の処分により、枝元次官が今夏以降も続投するというシナリオに黄色信号がともり始めた。

 昇進などに響く懲戒処分を受けたのは計5人。枝元氏と水田正和生産局長、伏見啓二官房審議官の3人が減給10分の1(1カ月)、2人が戒告となった。懲戒処分ではない訓告を受けたのが1人。

 出席者はいずれも、吉川貴盛元農水相の招きを受け、元農水相が飲食費を負担したと認識していた。しかし、同省の調査の結果、利害関係者に当たる秋田前代表側が払っていたことが発覚。同省は、誰が支払ったかを確認しなかったことが過失に当たると認定した。

 枝元氏は会場に行くまで前代表が参加することを知らなかったため、省内には同情論が少なくない。ただ、前代表が利害関係者に該当するかどうか会食の場で頭に浮かんだか国会で問われた枝元次官は「よく覚えていないが思っておくべきだった」と述べるなど、認識が甘いとの批判は免れない。

 省幹部は「最高責任者である次官は何があろうと言い逃れできない。危険手当として高い給料をもらっている」と指摘した上で、「今夏の退任は避けられない」とみる。

 次官候補となり得るのは、枝元次官と同期の大沢誠農林水産審議官(84年入省)、山口英彰水産庁長官(85年入省)の2人。
ただ、与党議員は「枝元さんと大沢さんを比較した結果、枝元次官が誕生した」と述べ、大沢次官説には否定的だ。ただ、山口氏に決まるかというと一筋縄にはいかない。改革派として知られる山口氏に対し、守旧派が送る視線は厳しい。

 号砲が鳴らされた次官レース。本命不在の中、野上浩太郎農水相の采配が注目される。

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