2021-04-20

トヨタ自動車・内山田竹志会長が語る”水素の未来と課題”

内山田竹志・トヨタ自動車会長



 ── 途上国の方が先にいってしまうような形になりますね。

 内山田 メキシコに作った新工場も、単純にエネルギーを置き換えるだけではなく、省エネを徹底しています。従来のトヨタの平均的な工場に対して、エネルギーの使用量を40%カットできる見込みです。いろいろな設備を小型化したり、設備の消費電力を下げたり、あるいは炉を小型化して使うエネルギーをどんどん下げています。

 ── そういう点でも、トヨタは社会課題の解決会社になっているのだと。

 内山田 それは創業の精神から来るものだと思います。「豊田綱領」です。これが我々の精神的な柱になっており、その中の1つに「産業報国」があります。これは産業を通じて世の中のお役に立つという意味です。それが創始者・豊田佐吉の織機の発明へとつながり、豊田喜一郎の興した自動車産業となり、我々が今こういうところに立っていることにつながっているのです。

 これらは全て社会課題の解決をするというところから始まってきました。そして今はそれをどういうレベルでやるかというところに来ているわけです。個人にとっても企業にとっても日本は母国です。この日本で新たなエネルギーでも成り立たせて世界に広げていかなければならないと思っています。

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