2021-05-09

アパホテル・元谷芙美子社長が語る”コロナ禍でのホテル黒字経営”

元谷芙美子・アパホテル社長


1泊2500円のキャンペーン

 ─ ホテル経営では宿泊料の設定がポイントになります。

 元谷 ええ。コロナ禍では当社にとっても、これまで経験したことのない稼働率、宿泊単価の低下に見舞われました。それに対し、当社の強みは他にはない独創的な企画力です。そこで当社は1泊2500円という「コロナに負けるなキャンペーン」を打ち出したのです。

 ビックリするような価格ですが、これを期間限定で全ホテルで展開しました。その後も、今年の5月10日で創業50周年でもありますので、1泊3900円で宿泊できるキャンペーンや映画・アニメなどが見放題になる「アパルームシアター(客室VOD)」も1泊1000円のところを無料にしたり、お得に1000円で連泊ができるクーポン券を差し上げる企画を実施したりするなど、とにかくどこにも負けない独創的な企画を打ち続けています。

 ─ アプリも自社開発しましたね。

 元谷 当社の自社開発サイト・アプリでホテルを予約していただくことで、旅行代理店などに支払う10~18%の手数料の負担がなくなり、その分をお客様に還元することができます。アパホテルのメインのお客様は30代後半から50代ぐらいのエリートビジネスパーソンの方々で、若い方々といった新しいお客様の獲得が課題でした。

 しかし、これらのキャンペーンで20代の方々にも使っていただけるようになり、顧客層が広がりました。アプリのダウンロード数も200万を超えています。優秀なビジネスパーソンを中心とするアパホテル会員の累積会員数は1900万人を超えていますが、その会員の中には、今までアパホテルを使ったことがない若いお客様が新規で増えているということです。

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