2021-05-09

アパホテル・元谷芙美子社長が語る”コロナ禍でのホテル黒字経営”

元谷芙美子・アパホテル社長


海外にも積極的に進出

 ─ では、今後の成長戦略について聞かせてください。

 元谷 代表はコロナ禍収束まで2年かかると予測しています。ですから、あと1年はこのような状況が続いていくでしょう。しかしコロナが収束すれば、ビジネス需要、国内観光需要も一定数、回復することが見込まれます。そして、今後も力を入れていくのは海外になります。

 当社は既に北米で39ホテル・4711室を展開するホテルチェーンを運営しています。まずは国内で断トツNo.1のホテルチェーンになることを目指しますが、その後は我々が進出していない周辺のアジア諸国への進出も検討していきたいと考えています。アジア諸国の所得水準も今後は上がり、海外旅行離陸期を迎え、夢の国・ジパングとして日本に行きたいと思う外国人の方々が増えていくでしょう。

 ですから、当社はあくまでも長期的な視点に立ってホテルの開発を行い、コロナによる一時的な需要の落ち込みがあったとしても、長期戦略を変えることはありません。さらに、コロナ禍で経営の厳しくなったホテルの売り情報が増えてきますので、積極的に取得を検討し、出店ペースを加速させていきます。

 ─ 最後に社長としてのご自身の役割を聞かせてください。

 元谷 会社がどんどん大きくなっていますが、私はより一層、家族経営という点を大事にしていきたいと思っています。ですから、いつも明るく元気で前向きな姿勢で、従業員1人ひとりに声をかけていく。代表は織田信長のようなカリスマ経営者ですが(笑)、私は代表とは真逆です。女性社長かつ母としての私の役割を果たしていきたいと。

 孫子の名言に「拙速は巧遅に勝る」という言葉があります。大企業では時間をかけて100点をとる会社はありますが、当社は80点でも85 点でもいいから瞬時に世の中の要請に応えて、その時の最善の答えが出せる企業になると。そういった経営者でありたいと思っていますね。

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