2021-05-18

OLC次期社長に吉田常務執行役員 感染防止策と集客をいかに両立するか?

東京ディズニーリゾート(TDR)を運営するオリエンタルランドが12年ぶりの社長交代を発表。6月29日付で常務執行役員の吉田謙次氏(60)が社長に昇格し、任期満了となる上西京一郎氏(63)は特別顧問になり、会長の加賀見俊夫氏(85)は続投する。

 新社長の吉田氏は1984年の入社以来、フード本部(当時は食堂部)、経理部、グループ会社で飲食施設の運営などを行うアールシージャパンの取締役を経て、東京ディズニーシー(TDS)の新エリアとなる第8テーマポート推進本部で新エリア開発に携わってきた。

 同社関係者は「現場とコーポレートの双方を熟知しており、経理の経験から、数字を見て状況を読み解くのが得意で、財務面も詳しい」と話す。吉田氏は東京ディズニーランド(TDL)開園翌年の入社で、法政大学4年生の年の5月にオープンしたばかりのTDLを訪れ、「自らの職として意識した」(同)という。

 コロナ禍でのテーマパーク運営は厳しさを増している。同社も昨年2月末から約4カ月間、臨時休園を余儀なくされ、7月に営業を再開したが、一時は1日の入園者数を5000人程度まで減らした。その結果、2021年3月期のTDRの入園者数は756万人と開園した83年度の993万人を下回った数となり、1996年の上場以来初となる赤字決算に転落した。

 そんな中でも吉田氏自ら陣頭指揮をとってきたTDSの大幅拡張に対しては、23年度までの開業を目指して計画通りに遂行する考え。だが当面は感染防止対策を講じながら集客するという難しい舵取りを強いられる。

「TDRは永遠に完成しないテーマパーク」(首脳)。不透明な環境下での吉田氏の登板となる。

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