2021-05-31

【厚生労働省】感染拡大防止へ、歯科医のコロナワクチン接種も可能に

厚生労働省は、新型コロナウイルスのワクチン接種について、集団接種に携わる医師らが不足する場合に限り、歯科医師がワクチンを打つことを認めると都道府県などに通知した。集団接種の実施主体である自治体の首長が医師ら人員を確保するのが困難だと判断すれば、関係団体に協力を要請できるとした。

ワクチンについては、既に感染した場合の重症化リスクが高い65歳以上の高齢者向けの優先接種が始まっている。今後、基礎疾患を持つ人や一般の人への接種も始まる見込み。ただ、自治体が計画を策定する中でワクチンを注射する打ち手が足りない地域がある。

 医師法上、ワクチンを注射できるのは医師か、指示を受けた看護師に限られている。そのため、厚労省の有識者会議による議論を踏まえ、特例的に接種を担う人材を確保する手段の一つとして、集団接種に携わる医師らが不足する場合にのみ、歯科医がワクチンを打つことを認める方針を決定した。

 通知では、歯科医に筋肉注射の経験があったり、必要な研修を受けたりすれば、違法にはならないとの考えを示した。また、接種を受ける人が歯科医による注射に同意することが「重要である」と指摘。書面や口頭での説明による同意のほか、接種会場に歯科医による注射が行われているとの掲示などで明確に知らせる必要性を強調した。

 歯科医も筋肉注射などの基礎的教育は受けているが、ワクチンの知識や強いアレルギー症状であるアナフィラキシーへの対応方法などの研修を課す。厚労省は、歯科医の研修について日本歯科医師会と連携し、オンラインでの実施も検討している。

 田村憲久厚生労働相は記者会見で「国民に安心してワクチンを接種していただける体制を各自治体でつくっていただきたい」と話した。ある与党議員も「5月以降続々とワクチンが入ってくる」と指摘。その上で、「本当に24時間体制で打てるくらいの人員が整わないと国民の全体の接種は間に合わない」と危機感を示していた。

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