2021-05-28

大成建設前社長の村田誉之氏が大和ハウス副社長に転身

村田誉之・大成建設前社長

「スーパーゼネコンでトップを務めてきた方の知識、経験、見識を当社の技術陣に学んで欲しい」と話すのは、大和ハウス工業社長の芳井敬一氏。

 2021年5月14日、大和ハウスは6月29日付で副社長・技術統括本部長に前大成建設社長の村田誉之氏が就任することを発表した。村田氏は20年、大成建設の中期経営計画の目標未達を受け、「執行部門の長として、けじめをつける」として社長を辞任、副会長に就いていた。

 村田氏の転身に、大成建設の社内からは「正直、驚いた」という声が挙がる。芳井氏は「大成建設さんと当社は仕事をご一緒することも多く、交流も盛ん」と話す。芳井氏と村田氏とは、両者がそれぞれ社長に就任する以前から交流を持っており、芳井氏は村田氏に対して「このように素晴らしい人がいるんだな」という印象を持っていた。

 そんな中、村田氏が大成建設副会長を退任するという情報を聞きつけ、芳井氏が直接声をかけた。以前から、技術部門を統括できる人材を社内外から登用し、強化したいと検討を進めていたことが背景にあった。「弱い部分を強くしたいと考えた。急激に世の中が変わる中、いち早く取得していく必要がある。そこで大事だったのは人柄」

 大和ハウスはこれまでも、マンション事業強化に向けて元野村不動産副社長の高井基次氏、海外事業強化に向けて元三菱商事理事開発建設本部長の一木伸也氏といった人材を招聘してきた経験がある。ただ、スーパーゼネコンのトップ経験者の転身は異例のこと。

 建設業界では今、デジタルトランスフォーメーション(DX)など技術革新への取り組みが加速している。こうした新領域で、村田氏はいかに手腕を発揮するか。

Pick up注目の記事

Related関連記事

Ranking人気記事