2021-06-25

国内電力の約3割を担うJERAが脱炭素化を進める意味

小野田 聡・JERA社長



新たなサプライチェーンの構築が必要



 JERAはアンモニアの活用を図るため、5月には世界最大手、ノルウェーの窒素系肥料メーカー、ヤラ・インターナショナルとの協業を検討することで覚書を締結。発電燃料としてのアンモニアの安定供給に加え、新たなサプライチェーンの構築や事業ノウハウの獲得を進める考え。

 小野田氏は「今回、実証実験を行う碧南火力4号機でアンモニアを20%混焼する場合、アンモニアの年間所要量は約50万㌧になる。これは日本の消費量の約半分に相当する量であり、発電用の大量のアンモニアは既存のサプライチェーンでは賄うことができない。そのため、エネルギー業界に留まらず、経験を有する事業者や大規模需要家など、国内外の大手企業と協力し、新たなサプライチェーンを構築していく」と語る。

菅義偉首相は4月に、30年度に温室効果ガスを13年度比で46%削減する目標(従来目標は26%減)を表明したばかり。こうした目標を実現するためには、水素やアンモニアなどの活用は欠かせないものになる。

 その意味で、国内電力の約3割を担うJERAが脱炭素化を進めることの意味は大きい。同社の取り組みは国の政策や他社の動向にも影響を与えそうだ。

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