2021-06-27

ミキハウスグループ代表・木村 皓一の「世界の子供に笑顔と安心を!」(第12回)


外国人のお客さんから「社長に会いたい」と



 上質な品と出会うと、感動と喜びを感ずる――。これは、国境を越えて、誰しもが経験することであろう。

 創業時から「最高級のベビー服をつくろう」という思いを抱いて、『ミキハウス』を内外の顧客に届けてきた木村。

 その木村のもとに、コロナ危機の前、東京・銀座の有力百貨店から電話がかかってきた。

「今、米国から来られた老夫婦が買い物をされたんですが、本当に素晴らしい肌着だねと。こういう肌着をつくり上げる人に是非お会いしたいものだと言っておられました」という報告。

 その老夫婦は孫のためにベビー服と肌着を買い求めたそうだが、他の製品と比較して、赤ちゃんの肌を守る縫製に感動したのだという。

 また、別の日には、シンガポールからの来店客からも「責任者に会いたい」という申し入れがあった。

 子供や孫のために、品質の高い製品を求めるニーズは国境を越えてもあるということ。

 自分の子供や孫のために、というだけではない。親しい友人に贈り物をしたい時、心のこもった良い品を贈りたいと思うのが人情である。

「ええ、知り合いの娘さんに子供が生まれた時、ミキハウスの売り場に相談に来られるお客さんは多いです。一番高いモノはどれ? という人が確実におられるということです」

 高いから売れる――。木村が、顧客の消費行動をずっと見続けてきて本質を衝いた言葉。もっとも、価格が高ければ即、それが高級品だと消費者が受け止めてくれるということではない。

「価格もさることながら、品質やデザインにこだわり続ける。素材選びの段階からいいものを選び、最高級の品質に仕立てていく」という木村の考え。

 価値観や国家運営の制度・仕組みが違うと国家間の対立も見られる昨今だが、子供服・ベビー服の領域では、“いいもの”に出会った時、感動と共感を呼び起こす。それは、国を越えての感動の共有であり、それを大事にしたいと木村は語る。

(敬称略、以下次号)

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