2021-07-23

ミキハウスグループ代表・木村 皓一の「世界の子供に笑顔と安心を!」(第15回)


女子卓球部からは石川佳純選手を輩出



 女子柔道だけではなく、木村のスポーツ選手支援は次々と広がっていく。

 女子卓球もその1つだ。

「女子柔道の体育館をつくるときに、ちょうど図面を引いているときでした。大阪の四天王寺中学校、四天王寺高校の卓球がものすごく強いんだが、高校を卒業したあとの練習がままならないんだと。それで応援してくれないかという話を受けましてね」

 大阪の四天王寺は聖徳太子にゆかりのあるお寺。推古天皇元年(593年)に聖徳太子の手で創建され、1400年以上の歴史を持つ由緒ある寺。

 この四天王寺は学校法人四天王寺学園を持ち、女子教育の四天王寺中学、四天王寺高校を経営。四天王寺高校は医学部進学などで実績を持つ大阪有数の進学校だが、スポーツや芸能界に活躍する人も多く、文武両道の学校として知られる。

「ええ、もう超進学校です。だけど、スポーツにも力を入れて、一芸に秀でたのを応援するという教育。勉強ができるのは勉強面で応援するし、バレーボールや卓球で秀でているのなら、その道で応援していくというやり方です」

 その四天王寺高校の卓球部・大嶋雅盛監督から、木村はある提案を受けた。

「木村さん、高校時代に頑張っていても、卒業後に世界で通用しない。だから、高校からきちんと成長させていきたいんです。四天王寺で強くなったのを、わたしが監督しますから、ミキハウスで面倒見てくれませんか」

 この提案に、木村は共感するものがあった。

「柔道場をつくろうと思って図面を描いている時に来たから、その図面を一度破いて、1階を柔道場、2階を卓球部という具合につくり直した。女子柔道部、女子卓球部ですごく相性が良くて、卓球でも強い子が出てきた」

 その1人が石川佳純選手であり、ロンドン・リオで連続してメダルを獲得している。

「卓球もやはり中国に勝たないと。そして五輪でも勝たないといけない。そういう選手を育てていきたい」

 世界1を目指す努力は、子供服づくりでも、またスポーツの領域でも続く。 

 (敬称略、以下次号)

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