2021-09-27

【政界】脱派閥? 世代交代? 絡む思惑 衆院選を控え、カギを握る党員票

イラスト・山田紳



一匹オオカミに警戒

 世論の追い風を受ける河野だが、正式な出馬表明は総裁選告示ギリギリになりそうだ。立候補に必要な国会議員20人の推薦人を集めることに苦労しているわけではない。

 菅が「コロナ対策に専念する」ことを理由に総裁選不出馬を決めただけに、菅内閣でウイルス担当相を務める河野が総裁選活動に注力することは「投げ出し」批判を受けかねない。

 実際、同じ麻生派の重鎮で、自民党税調会長の甘利明は「菅首相がダメだと叩かれた一番の原因がワクチン対応だ。そのワクチン担当閣僚の評価が上がるのはよく分からない」と皮肉った。

 官房長官の加藤勝信は7日の記者会見で、総裁選を巡る河野の対応について「私たちが果たさなければいけない直近の責務をまず果たしていく。それが大前提になる」と述べ、総裁選出馬でワクチン対応に影響が出ないようにくぎを刺した。

 それでも、河野待望論は加速。「一気に河野で雪崩が起き、止められない」(中堅)との見方が広がる。ただ、河野は防衛相時代、唐突に地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の配備計画停止を発表するなど根回ししない「一匹オオカミ」の政治スタイルだ。また、「脱原発」を持論とし、「女系天皇容認」論者とされるだけに「危うさ」を指摘する向きもある。

 しかも、総裁候補の中で唯一の50 代だ。「河野総裁」誕生で一気に党内の若返りが加速することを警戒するベテラン議員、重鎮議員も少なくない。

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